神戸学校

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「笑いについて」



<第1部>

笑いについて

中島さん:
ハロー。山内 圭哉くんをご紹介しますが、バンドのTHE JIZZMONKSというの先鋭的な音楽をやってる方で、役者としてもあっちこっちに呼ばれて、役者の仕事もしているという青年ですが。彼とはもう7、8年、もっとかな。

山内さん:
そうですね。7、8、9年目くらいですか。僕、21の時で、今年9になりますからね。

中島さん:
俺の仕事部屋にマンションを借りてあって、そこが1Kくらいかな。2K。

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山内さん:
違いますよ。1Kだったら本当に同棲じゃないですか。2DK。

中島さん:
2DKだね。そこの奥の部屋を山内くんが占領してまして、お金なかったんですね。

山内さん:
家、なかったんですよ。

中島さん:
役者という仕事はわりとすさまじい仕事で、住所のない人とかいるんだよね。

山内さん:
あのね、それで思い出しましたけど、僕、東京の劇団に客演に行ったんですよ。流山児事務所っていうね、ものすごいアングラのとこがあるんです。流山児 祥さんという方がやっている劇団なんですけど。だいたい連絡網みたいな出演者の名簿もらうんですね。若手のところには居酒屋の名前が書いてあるんですよ。それで本人に聞くのもちょっとためらったんですけど、聞いたらバイト先にそのまま住んでるんですって。それってすさまじくないですか。

中島さん:
なかなかすさまじいね。住所が居酒屋って。

山内さん:
その住所で手紙届きますと言ってましたからね。あと靴下持ってない子とかいましたね。ひとつも持ってないんですよ。真冬だったんですけど、裸足ですからね。それでかわいそうだなと思って見てたら、流山児さんが「おまえ、足臭いんだよ。こいつ靴下ねぇんだよ、誰か買ってやれよ。ハハハハ」と。おまえが買うたれという話です。本当にひどいとこだなと思いましたね。演劇界ってこんなんかと。

中島さん:
山内も時々、200円くらいしか持ってない時があるよね。

山内さん:
あります、あります。ざらにあります。

中島さん:
俺も大昔はそうだったよ。年収6万円という時代が。

山内さん:
お駄賃や。

中島さん:
最初は失業保険もらえたからよかった。前の会社の収入の6割くらいくれるのね。だからね、その時前の会社というのは20万くらいもらってたから、16万。

山内さん:
それは全然いけますね。

中島さん:
いけるでしょ。でも3ヵ月で切れるのよ、それが。

山内さん:
3ヵ月だけなんですか。

中島さん:
20代の人はね。30越えると6ヵ月に伸びるんだけどね。また職業案内所みたいなところに行って、希望する職業「コピーライター」と書いたんだけど、そんなもの来るわけない。

山内さん:
それはそうですわ。

中島さん:
その案内所出たら、必ずおっちゃんが立ってる。そのおっちゃんが俺の方見て「にいちゃん、いいからだしてるな。自衛隊はどうや」と言うんです。

山内さん:
そんなところで勧誘してるんですか。

中島さん:
そう。その当時、俺なんかメシ食ってないからガリガリじゃない。どこがええからだだっていう話ですよ。

山内さん:
失礼な誘い方ですよね。

中島さん:
山内はもち肌やな。

山内さん:
何の話です。

中島さん:
サラリーマンしたことある?

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山内さん:
僕、ないです。一回も就職はないですね。アルバイトはたくさんありますけど。

中島さん:
役者っていうのは定職につけないのね。

山内さん:
そうですね。休んだり、また働いたり、休んだりですからね。休む期間が半端じゃないですもんね。

中島さん:
稽古に3週間とかね。で、公演自体が10日、東京と大阪でやって20日間、移動日含めて芝居やったりとか。そうすると、1ヵ月もいることなるでしょう。定職につけないよね。だからみんなバイトしてるんです。

山内さん:
あのね、僕らとかだったらその度に探したりしてます。「芝居やってるのか。いいよ、いいよ、休んでまた来たらいいがな」というところもあるらしいです。

中島さん:
それ何屋さん?

山内さん:
何だろ。魚屋かな。適当ですけど。

中島さん:
魚屋と言ったらあかんねんで。鮮魚店と言わないと。

山内さん:
はい、すみません。

中島さん:
そうか、山内はサラリーマンしたことないんだな。

山内さん:
はい、ないです。

中島さん:
俺はね、11年間やってたよ。

山内さん:
長いですね。

中島さん:
ずっと背広着て、ネクタイして、朝の9時には出社のタイムカード押してという生活を11年。

山内さん:
なんでそんな11年間もできたのに、こんなことになってるんですか。

中島さん:
それにはいろいろと訳があるんだけどね。フーテンしてたわけよ。

山内さん:
フーテンというのは、若い方はよくわからないと思うんですが、ヒッピーのことですか。

中島さん:
フーテンとヒッピーというのはちょっと違うんだ。ヒッピーというのは、同じように髪の毛バーッと伸ばしてるけど、主義、主張、思想があるんだ。野菜を食べようとかさ。フーテンというのは何もないんだ。ただただ毎日過ごしてるだけ。

山内さん:
ダメダメじゃないですか。

中島さん:
それでね、大学4回生の時に結婚して、嫁さんが図書館の司書をしてた。俺は大学4回生だから何もすることないでしょ。かといって学校にも行かないわけよ。ヒモだね、要するに。料理とかは俺が作ってた。だから今でも上手いんだ。最初、焼き飯を作ってたら、パッと中華返しをパッとやったら、飯がバラバラバラ。床中に。それがやっぱり切磋琢磨していくとやれるようになって。だから今でも料理は上手いんだ。

山内さん:
僕も上手いですよ。

中島さん:
うん。

山内さん:
なんや、あんたの間は。

中島さん:
このままずっとヒモでいって、音楽で芽を出そうと考えてたわけよ。

山内さん:
ミュージシャンになろうと思ってらしたんですね。

中島さん:
そしたら嫁さんが妊娠しちゃったのよ。妊娠しちゃったから司書の仕事をやめざるをえなくなって。バトンタッチだ。そうなったらしょうがないわと思って。フーテンもあきらめようと思って、出社する前の日に嫁さんに髪の毛を切ってくれと言って。

山内さん:
スパッともう止めようと思って止めたんですか。男らしいですね。

中島さん:
しょうがないだろう。役割だから。

山内さん:
諦めいいですね。

中島さん:
うん。髪の毛を切ってもらって、ネクタイも、シャツも、スーツもそろえてもらってあって。次の日の朝になって「じゃあ、初出社だ行ってくるぞ」と言って、パッと見たら靴がないんだ。

山内さん:
やっぱりスカタンやな。

中島さん:
バッシュとかそんなのしかない。

山内さん:
久しぶりに聞きました、そんな言葉。バッシュって。らもさんからバッシュって。今日いちばんの収穫ですね。

中島さん:
それで靴箱中探したわけよ。下駄箱の中をね。一足だけ出てきた。でもロンドンブーツだった。ヒールが20センチくらいあるロンドンブーツ。でもそれしかないから、もうしょうがないでしょう。朝の8時くらいに靴屋開いてるわけないしさ。これ履いていくから、ちょっとズボンの裾を長くしてくれと言って、ズボンの裾を長くしてもらったのね。急遽。すごくいい気分なんだ。背が高くなって、足が長くなってみたいな。それで会社へ行ったらいろいろ紹介してもらって皆さんを。君、ちょっと名刺の渡し方から教えないといかんなと言われて。上司はモミイさんという人だったんですけどね、この人は九州の田川の出身でめちゃくちゃ田舎者なんです。

山内さん:
田川ってどこですか。

中島さん:
田川って九州の真ん中へん。

山内さん:
あんた、細かく言ったり、アバウトに言ったり。真ん中へん。九州の真ん中へん。へえ。

中島さん:
名刺の渡し方教えるというから、はいわかりましたと。まず相手の名刺を押しいただいて、自分の靴の先を見るんだと。そしたらちょうど。

山内さん:
大サービスですね。

中島さん:
自分の靴の先を見ると、ちょうどいい腰のかがめ加減になるわけよ。なるほどと思って、自分の靴の先を見たら、ロンドンブーツがピョコッと出てるわけ、つま先が。その時俺は不吉な予感がしたよ、何か。その日はいろいろ教えてもらって、夜になったら社長がね「よし今日は新入社員の歓迎会だ」と。

山内さん:
理由をつけて飲みに行きたがらはるんですよね。

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中島さん:
老松町というところにある大阪の豪華料亭みたいなところで、最初抹茶のお薄をいただいたんだけど、不吉な予感はここで的中したんだ。

山内さん:
どういうことですか。

中島さん:
お座敷なんだ。

山内さん:
あーあ、あかんわ。それは。

中島さん:
靴脱がないといかん。靴脱いで、ロンドンブーツがニョキと出てきたから、横にいた経理のおねえさんが、エエッみたいな顔して。

山内さん:
それまた脱いだはいいけど、裾も直してるわけでしょう、それに合わせて。

中島さん:
そうなんだ。それで自分の裾を踏む形でさ、ペタペタペタペタ歩くものだから、なんか袴垂みたいになってしまって。

山内さん:
忠臣蔵みたいになってしまいますね。斬りかかったらよろしいねん、経理の人に。

中島さん:
もうその日はベロベロに酔って。上司がおかしい人でね。

山内さん:
やっぱり田舎者ゆえにという感じですか。

中島さん:
ケチなんだ。

山内さん:
ケチ。

中島さん:
うん。タバコを値切ってるのを見たことあるんだ、俺。「なにぃ、ハイライトが140円もするのか。なんとかならんのか、ええ」って。

山内さん:
マジですか。

中島さん:
マジで。値切ってるんだ。

山内さん:
本気でですか。らもさんを笑わせようと思ってのことでは。

中島さん:
違う、違う。田舎だから横文字に弱いわけ、すごく。ちょっとこじゃれた喫茶店みたいなとこにね、故あって一緒に入ったわけよ。そしたらメニュー見て「ん、リゾット、リゾット、リゾット。うーん」としてるから「モミイさん、いいからピラフにしときなさい、ピラフに」と言ったら、店中に響き渡るような声で「ピラフって何じゃ」と。

山内さん:
知らんかったんや、ピラフ。かわいそうに。

中島さん:
でね、モミイさんはね、うどんしか食わない。

山内さん:
どんな生き物なんですか。何か昆虫の話してるみたいですね。

中島さん:
よくね、うどん屋とか行くんだけど、そばを食ってるのを一回も見たことがないわけよ。

山内さん:
絶対、そばかうどんかでもうどん。

中島さん:
うどんなんだ。ある日、俺は聞いたんだ。「モミイさんはうどんしか食わないけど、どうしてそばは食わないんですか」と聞いたら、モミイさんがちょっとはにかんだような顔でね「中島くん、何かそば食うと損したような気にならんか」って。

山内さん:
うどん太いから。強烈な人ですね。

中島さん:
その会社には丸4年間いたんだけどね、終わりの方になって握りっ屁事件というのが起こった。

山内さん:
バッカバカしいタイトルですね、それ。

中島さん:
あのね、ホソカワ部長という部長がいたわけよね、上の方にね。モミイさんの上が部長になるのかな。この人はいわば管理職だ。俺の行った会社というのはね、全員営業マンなんだけどね、それを管理する立場だから、ホソカワ部長というのはいつもずっと会社にいるわけ。いろんな電話がかかってきたりするしね。でもすっごい暇なのよ、部長は。いつも経理のおばちゃんとね、そのホソカワ部長と社長と三人しかいないんだね。社長は社長室に入ってるんだ。
ホソカワ部長はいつもプーッとオナラをして、それをプッとつかんで、手で、経理のおばちゃんの方へスーッと持っていって、ホワーンするわけ。「部長、止めて下さい」とか、そんなの言うけど、あんまり毎日毎日それをするものだから、これはもう社長に言いつけるしかないと思って、社長に言いつけたわけよ。
そしたら社長が烈火のごとく怒ってね「ホソカワ、アホなことするな」と言って「ええ加減にせぇ」とか言って怒っているところに、ちょうど私が営業が終わって帰ってきたわけ。「何が起こったの、どうなったの」「ホソカワ部長が握りっ屁ばっかりするんで社長に言って。そしたら社長が怒ってるんですわ」と。その時俺は「この会社は長くいる会社ではないな」と思ったんです。ところがその社長もね、めちゃくちゃ酒飲みなんだ。いつも小料理屋の座敷へ行って飲むんだけどね。週に3日くらい小料理屋へ連れていかれるんだ。ある日、座敷でわいわい言って飲んでいたら、隣から人声がしたわけね。社長が「これはタクマのヒライ専務と違うか、あの声は」と。タクマというメインの取引先があって、そこの専務がどうも隣の座敷で飲んでるらしい。社長はその座敷の戸をガラッと開けて、やっぱりヒライ専務がおったわけよ。ヒライ専務というのはツルッパゲなんだ、頭。社長がいきなりその専務のツルッパゲの頭をヘッドロックにかけて、それでペチン、ペチン、ペチン、ペチンと殴って「中島、よう鳴るわ」って、この時も。

山内さん:
それ握りっ屁怒れませんね、その社長もね。

中島さん:
うん。同じレベルだ。その時も、もうこの会社長いこといる会社じゃないなと思って。ある日、テレビを見てたんだ。そしたら矢沢 永吉のインタビューをしてたわけよ。非常に珍しいことなんだね。永ちゃんというのは一切テレビに出なかったしね。そういう人が初めてテレビのインタビューに応じたという番組で、たまたま見たんだ。何を考えてるんだろうかとか思って。そしたら彼は自分の18とか20くらいの時の話をしてて「俺はこんなに才能があって、こんなにいい曲を書いて、こんなにいい詩を書いて、書きためているのに、世間のやつらはどうして走って買いにこないんだ」と言ってるわけ。それ見ていて俺は「彼の言ってることは正しいな」と思って、俺も会社に勤めてる場合ではないと思って、次の日に辞表を出したんだ。

山内さん:
ええっ、また切り替わり早いですな、何でも。

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中島さん:
モミイさんに「モミイさん、これ実は辞表なんですけど、これ受け取ってもらえませんでしょうか」と言ったら、モミイさんが「中島くんちょっと待って。ちょっと待って。今、君に辞められたらワシは困る。というのは、ワシも辞めようと思って辞表を持ってる」と。

山内さん:
いいコンビですな。バイオリズムぴったりやね。

中島さん:
で、どうしようかなと。ふたりでボコンとトンズラ決めたらあんまり無責任だし。よし、そしたら一応辞めたいということを社長に言っておいて、代わりの人を雇って、求人広告を出して応募の中から採って、それから辞めたらいいのと違うかということになって。求人広告を出したら5人くらい来たのよ。その中からマツタニくんという子と、ナガミくんという子が採用された。彼らはなかなかシャープそうでよかったから「君ら明日から来てくれ」と言って。次の日に、ナガミくんというのはすごいハンサムな男でね、俺運転して得意先へ行って、名刺も即作ってあったからずっと紹介して廻ったんだ。その帰りがけの車の中で「しかしナガミくんはいいからだしとるな」と、言ってしまったんだ、冗談で。

山内さん:
なんでそんな冗談、そんなに好きなんですか。

中島さん:
そしたらナガミくんは次の日から来なくなった。それでまたもういっぺん求人広告を出した。てなわけで会社を辞めた。

山内さん:
すごいでも、会社行くのもおもしろそうだなという気になりますね。

中島さん:
あのね、おもしろいんだ。というのはね、印刷屋というのはね、とにかく怒られるのが商売なんだ。必ず誤植があったり色目が悪かったりするだろう。あるいはトンボが間違ってきってあって、ぐいっとずれてしまったり、紙のページの順番が狂ったまま製本をしてしまったり。とにかく完璧な印刷というのはあり得ないくらいミスが多いんだね。それで怒られに行くわけよ。俺は3回頭をまるめたね。君みたいなスキンヘッドにしてさ、得意先へ「申し訳ございません」って。「いや、もうそこまでしなくてもいいのに」って言わせるために丸坊主に。

山内さん:
本当に剃ったんですか。

中島さん:
うん。で、やっぱりもろにダメージはくるでしょう、怒られるというのは。胃に穴が開きそうになったんだ。それでね、考え方を変えようと思って。怒られるのも仕事だけど、要するに俺は朝の9時から夕方の5時まで、会社にこのからだを身売りしてるんだと。身売りしたペイで給料をもらって、そのお金で自分の好きなことをするんだと。5時以降は書きかけの文字でも止めてね、仕事を納めてしまって、マージャンしに行くとかさ、酒飲みに行くとか、自分の生活を楽しもうと。だからそのころ、すごいたくさん本を読んだよ。仕事仲間と飲みに行ってウダウダ言うのは大嫌いでさ。今でも飲み屋へ行ったらいっぱいいるでしょう。

山内さん:
いますね。それはもう会社でも、演劇人でも一緒ですけどね。

中島さん:
役者もよく議論するな。

山内さん:
よく、議論好きですね。東京だと特には飲みに行かない日はないというくらい多いですね。行って何の話をするかと言ったら、今日の稽古の話。「あいつのあれがいかん」「俺はこの芝居こう思う」とかね。どうでもええがなと思ってしまうんですよ、僕とか。演劇人のくせに演劇人じゃないから。

中島さん:
なるほど。僕もペイで遊ぼうというふうに考え方を変えてからはすごい楽になったね。

山内さん:
あ、そんなに変わったんですか。

中島さん:
うん。だからね、十何年か前に新人類と言ってたでしょう。最近の若い者は書きかけの字でもチャイムが鳴ったら止めて、コンピューターいじりに行ってしまうとかね。俺は絶対、そっちの方が正しいと思うんだね。そうでないと、今の日本の会社というものは、どういうふうに変貌していくかわからないけど、一応、年功序列制というのはキープされるだろうと思うんだね。そこで例えば60歳で定年になったとするだろう。そしたら日本の男子の平均寿命といったら78歳くらい。あと約20年、仕事も何にも、会社もないままポンと放り出されてしまうわけだ。そしたら何をしていいかわからんだろ。
これは聞いた話だけど、辞めて帰ったその日は、奥さんが「あなた、長いことご苦労さまでございました」と三つ指ついて言ってくれて、次の日何か音がするから目を覚ましたら、女房が電気掃除機でだんなの周りをバーッと掃除してるんだ。ワシはゴミかみたいな。どんどん扱いが悪くなっていって、大きなゴミみたいな感じになって。だからね、電車に乗るんだ。電車に乗って一駅目で降りて、ここはどういうとこかというのをずっと散策して廻って、家へ帰ってきて晩飯を食う。

山内さん:
ふるさとZIP探偵団みたいなことを、自らひとりでするんですね。

中島さん:
うん。二日目は二駅先まで行く。三日目は三駅先まで行って散策して帰ってくるんだと。その話を聞いた時はね、たまたま古い知りあいに四駅目のね、駅の所で会ったんだって。それで「あなた、最近何をしてるんですか」と言ったら「私は陶芸やってるんですよ」と言って。「おもしろいですから、来週遊びにいらっしゃいよ、陶芸教室に」と。「わかりました」と言って、陶芸がおもしろくなって、かろうじて終着駅まで行かずに済んだというね。

山内さん:
よかったですね。というかね、笑いについてなんですよ、テーマ。誰が老後の過ごし方の話をしろと言ってますか。

中島さん:
老後の過ごし方。

山内さん:
違うがな。笑いについて。

中島さん:
強烈なやつを一発。

山内さん:
何であんた、そんな。飲み屋の会話じゃないですか。お金を払って来てくれてはるのに。

中島さん:
俺がな、営業へ行った時に、飛び込み営業というのがあるわけよ。飛び込み営業というのは何かというと、10階建てのビルだったらまず10階まで行くね、エレベーターで登るね。9階、8階と、だんだん降りていって、全然知らない会社よ、相手はね。そこへ入って印刷のご用命はございませんか。うちには3つのメリットがあります。文字校正は必ず3人の人間が目を通してやるようになっております。

山内さん:
誤字、脱字は、だから絶対にございませんということですね。

中島さん:
製本はどうこうで、色校はどうこうでと言って、全部嘘だ。ワシがやっとるんだ、ひとりで。いろんな人に会った。鉄塔の会社というの。

山内さん:
鉄塔って鉄の塔ですか。

中島さん:
鉄の塔を作ってる会社。そこの会社案内を作らせてくれるということになって、色校正というのを持っていくんだね。そこの課長というのが「あ、これが色校正か。今日はちょうど社長がおみえなので、社長に見ていただこう。君もついてきたまえ」社長がいたんだけど、80くらいのヨボヨボのジイさんなんだ。「社長、これ見本があがりましたが、いかがでしょう」と言って。青空にね、鉄塔がそびえ立ってる、シュッとそびえ立ってるような表紙だったんだ。それを社長が見て「もっとボワァと」と。

山内さん:
え、何、何て。

中島さん:
「もっとボワァと」「社長おっしゃってるのは、この鉄塔の周りの青空をボワァとさせるんでしょうか。それともこの塔自体をボワァとさせるんでしょうか」と言ったら、課長が「ばか者、君、社長がボワァとさせろとおっしゃってるんだ。そんなことヒーリングでわからんかね、ヒーリングで」と。

山内さん:
ヒーリング、いやしじゃないですか、それ。それでも、本当によくできたコントですな。

中島さん:
うん。そんなんばっかりあってさ、とうとうあそこへ行ってしまった。都島の磯じまん。

山内さん:
ああ、磯じまん。海苔のつくだ煮の。

中島さん:
海苔のつくだ煮磯じまん。

山内さん:
歌わんでええ。

中島さん:
磯じまんへ行って広告、広告じゃないな。何か部長のね、ヤマモト部長という人が応接に出てくれたわけよ。飛び込みというのはおかしくてね、何かしゃべらないといかんだろ。ふたりとも黙っているわけにいかんだろ。とにかく俺は聞いてもらったらわかるけど、しゃべるのが下手だから、とつとつとしてしゃべるんだけど、それがまたいいという人もいるんだ。立板に水みたいにね、ペラペラペラとしゃべる人よりも、君みたいに脂汗流しながらとつとつとしゃべる人の方が、あいつが何か言ってたぞというのが伝わってくるから。別に直そうとする必要はないよとか言ってくれる人もいて。
磯じまんへ行ったんだ。ヤマモト部長と対座して「お宅の磯じまんの瓶というのは、広口のわりと底浅の瓶で、昔からこの形というのは変わってませんでしょうが、例えば食事の時にテーブルの上に磯じまんがあって、蓋が外してあって、みんなこれをお箸ですくって食べるわけですが。汚い話ですが、みんながお箸を突っ込むもので、たまに米粒が残ったりしてる場合がある。これって非常に食欲を失うものですから、ここはひとつどうでしょう、マヨネーズみたいなチューブ型の磯じまんを作って」いいだろ。自分で欲しいだけチューブでチューと。

山内さん:
パンにも塗れますよ、それしたらね。

中島さん:
かけるようにしたらどうでしょうか。と言ったら、ヤマモト部長が「君がどういう家に住んでて、またあるいはどういうアパートに住んでるのか知らんが、夜中に電気真っ暗にしてそこへ寝ようと思ったところへ、震度5くらいの地震がグラグラグラッときてみろ。人間はそういう時、何かにすがりたくなるんだ。そういう時にテーブルの上にある磯じまんを触ってしっかり握り締めて、ああ、これが磯じまんの瓶だ。そこで人間は初めて自我を取り戻すことができる」

山内さん:
何を言うてはるんや、その人。

中島さん:
3回目も行ったよ。

山内さん:
ええ、まだ行くか。懲りませんな。

中島さん:
うん。3回目、満を持してさ、行ったら、ヤマモト部長はゴルフで腰を傷めて休んでました。

山内さん:
だけどらもさん、それ印刷物の営業で行ってるんでしょう。誰が商品開発せぇと言ってるんですか。

中島さん:
いや、まぁ、商品開発をして、例えばラベルを貼るとかさ、そういうことになったら、やっぱりよその会社に出せないだろ。俺のとこの会社に出さないといかん。

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山内さん:
そういうやり方もあるんですか。なるほどな。

中島さん:
今の広告会社なんか、みんな商品開発までやってるよ。ラベルとかね、名前の文字あるだろ、ロゴタイプ。コカコーラのロゴタイプ作ったアメリカの青年なんかさ、億万長者だよ。何もしなくても。

山内さん:
だから、笑いについてなんですけど。誰が億万長者になる方法の話をしろと言ってるんですか。

中島さん:
でまぁ、笑いを商売にしだしたというのは30過ぎてからでね。

山内さん:
そのでも、商売にできたのは、やっぱりそのサラリーマン生活がないと。かなり影響してますよね、そういう。

中島さん:
そうだね、やっぱりいろいろな人間を見るとかね、そういう経験が豊富にあったから。いろんな人、威張ってるやつとかさ。なんでこいつはこんなに威張ってるんだろうとかさ。

山内さん:
何がおもしろいって、人がいちばんおもしろいですね。

中島さん:
人がおもしろいよ。で、なんか威張ってるやつの威張ってる根拠を探っていくわけよ。ある日行ったら休んでるんだ、そのマエダさんが。

山内さん:
また。知ってる人、おったりしますよ、その人。

中島さん:
UCCのマエダさん。休んでるんだ。3日くらいしてから行ったら出てきておられて「どうしたんですか」と聞いたら「ちらし寿司食ってあたってな。今ちょうど女房がお産で国許へ帰ってるもので、女房の両親が置いていってくれたちらし寿司を食ってあたったんだ」「そうですか、お寿司なんかそんなあたるものと違うのに。いつもらったちらし寿司なんですか」「3週間くらい前」

山内さん:
それ、あたらいでかい、ですよね。あたりに行ってるようなものじゃないですか。

中島さん:
もうそれを聞いてからさ、この人も別に威張ってるばっかりじゃないんだと。すごく仲よくなってさ。だからそういう人を見たり、仲よくなったり、けんかしたりね、なんでこんなに威張ってるんだろうかとか、なんでこいつはこんなに臆病なんだろうかとか、そういうふうに人をいっぱい見てると素材にはなるよね。コントのね。
30過ぎくらいから丸5年間、月光通信というラジオのFM大阪でやってて、これはまぁ当時先鋭的な音楽、パンクの走りとかね、やって、音楽かけて、あとコント、それからゲストコーナーみたいなね。町田 町蔵も来たよ。町田 康も。

山内さん:
いろいろな人が来たんですか。

中島さん:
BOWYとか、氷室 京介。おもろしかったよ。氷室 京介なんかさ「ケラっていうのはおもしろいの」って俺に言うから「おもしろいですよ」「そうか」何落ち込んでるんだ、おまえは。その当時、テレビのコントもたくさん書いたけれども、ラジオのコントをちょっと一部聞いてもらいましょう。

(コント放送)

山内さん:
以上ですか。てな具合ですか。おかしいですね、これ。

中島さん:
おかしいだろ。

山内さん:
本当に、普通に笑ってしまいましたよ。ラジオでのコントじゃないですか。これは。大前提としてビジュアルがないというのがあるでしょう。そういうところを上手に使われてるなという気がしましたね。

中島さん:
いろいろな手法があるんだけどね、40過ぎたくらいで強烈な鬱病になってさ。自殺しかけたくらいの鬱病だったんだけど、それでもギャグは書けたの。というのはね、メソッドがあるから。セオリーが。ひとつのセオリーの通りに作っていけば、ギャグはできるというのがあるんだね。いくつかあるんだけど、例えばデペーズマンという手法は、19世紀のロートレアモンという作家、詩人が書いた『マルドロールの詩』という本の中に、「手術台の上のミシンとこうもり傘の出会いのように美しい」というフレーズが出て来るんだね。これ日本語だとちょっとわからないかもしれないけど、フランス人にとっては爆発的なインパクトがあるわけよ。

山内さん:
全然違うものがガッと出て来る感じとかですか。

中島さん:
そう。だからあり得るべきでない所に、あり得るべきでないものが出現することによって起こるインパクトみたいなね。その手法で作っていけば、鬱病でもできるわけよ。

山内さん:
それはギャグにもつながるということですか。

中島さん:
例えば回転寿司があるわと思うでしょう。回転寿司のコンベアの上に何が乗ってたらいちばん変だろうというふうに考えて、それはお医者さんじゃないか。はい、内科医に、心理科に、外科にと言って、お医者さんが回っているというのね。鬱病でもそれを使えばできるわけよ。で、根底的にはね、ギャグというのは差別だ。

山内さん:
またこれは爆弾発言ですな。

中島さん:
どう考えても差別で、これはマルセル パニョールというね、作家が言ってるんだけども、笑いというのは優者、優先したね、優勝の優ね、優者の劣者に対する爆発的な感情の高まりであるというね。

山内さん:
ああ、何かでもわかるな。そうですね。

中島さん:
もう20年前になりますけども、モンティパイソンというイギリスのBBCの制作で、こんなえげつないギャグが放送されていたという例を見ていただきましょう。シリーウォーク、バカ歩きというギャグです。よろしくお願いします。

(ギャグ放映)

山内さん:
ありがとうございました。モンティパイソンちょっと見ていただきましたけど、おもしろいですね。

中島さん:
おもしろいね。完全なブラックだな。

山内さん:
そうですね。これ20年前ですか。すごいですよね。BBCもよく流してたな。

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中島さん:
そうなんだ。BBCって国営放送だからね。さっきの「村のバカ」というのでね、ひとつ思い出したんだけど、スコットランドへね、亡くなった景山 民夫さんが旅行に行ったんだよ。そしたらね、「フールオンザヒル」というビートルズの歌があるでしょう。あれとそっくりのね、丘のね、上の辺にね、キルトのスカートをはいて、スコットランド人てスカートをはくじゃないですか。バグパイプをね、鳴らしてるおっさんがいるんだって。
景山さんはこれはおもしろいなと思って、丘の上へわざわざ登っていって、そのおっちゃんに「大変に失礼なことを聞くが、そのキルトのスカートの下にはあなた方は何も下着を着けていないというふうに聞いた。それは本当なのか」言ったら、おっちゃんが「君はね、そんなことを聞くけれど、もし君が自分の下半身をさらけだして、ズボンとパンツを脱いで私に見せてくれるのであれば、私もキルトのスカートの中身をみせてあげよう」と言ったんだって。景山さんは仕方がないからズボンとパンツを脱いで、靴下と靴だけになったんだね。

山内さん:
上は服着てて。いちばん悪い格好ですよね。人間として。

中島さん:
そしたらね、キルトのスカートをはいたバグパイプのおっちゃんが「あなたはね、今自分がどういう環境で何をしているのかわかっているのか。私がこうやってキルトを着て、バグパイプを吹いているのは、あっちにある観光台の展望台の上から見ている人達にサービスするためにやっているんだ」それで見たら展望台みたいなのがあって、みんな望遠鏡で。

山内さん:
あ、景山さん、まんまとかつがれたんですか。

中島さん:
という話をありましたけど。さっきのアホ系のギャグでしたら、まぁただ残虐だとか、ブラックだとか、差別だとかいうのはしょうがない。笑いというのは必要なんだからね。必要なものであるから、弊害もあれば利点もあるということで、一応認識しておいてもらって。

山内さん:
はい。どうも長いことありがとうございました。

中島さん:
今日はお話は終わりですが、アンケートをさっきいただいて、質問があるみたいなので、それにお答えしたいと思います。

質問:
私の父はいつも理由なくいきなり笑いだします。よくそれで仕事に差し支えがないものだと言うと、他人ばかりに囲まれていると平気だと言います。でも他人の中に一人でも家族がいるとどんなところでも、特に笑ってはいけない所で涙を流さんばかりに笑います。2年前もガンの宣告を受け、手術室に向かうストレッチャーの上で笑いだしました。私は不思議でなりません。この謎を解いてください。

山内さん:
らもさん、初っぱなからえらい悩み相談ですけど。

中島さん:
そうだね。

山内さん:
でも笑ったらあかんところで笑ってしまいそうになる気持ちは、わからんでもないですよね。

中島さん:
俺の事務所の向かいに稲荷神社というのが。

山内さん:
稲荷神社ってどこにでもあるがな。玉造稲荷神社。

中島さん:
玉造稲荷という神社があって、我々ホラーの芝居をする時には、そこへお払いをしてもらいに行くんですね。

山内さん:
ちゃんと行くんですね。四谷怪談とかみたいに事故が起こらないようにね。

中島さん:
事故が起こらないようにね。お払いに行ったんですよ。正座してお払いするでしょ。“かしこみ、かしこみ、あもリリパットアーミーの……”と。もうえら入ってしまってな。場違いなところ、笑ってはいけないところで笑うというのは人間の習性だよね。

山内さん:
ただその、やっぱりお葬式であるとかね、ガンを宣告された方が笑うとかね、ちょっとやっぱり周りの人が困る時もあるじゃないですか。きっとご相談されてるご本人は、なんとかしてほしいなという感じなんでしょう。

中島さん:
なんともならん。

山内さん:
無理でゲス。いやあのね、らもさんのね、悩み相談って、だいたいそんなんで終わるんですよ。仕方がないものは仕方がないとかで終わるので。

質問:
動物は笑うと思いますか。

中島さん:
動物は笑わないです。よくウマが笑うとか言うでしょう。ブヒヒヒって歯を見せて。あれは笑ってるんじゃないよね。

山内さん:
わかっとるわ、そんなもん。

中島さん:
ウマほどの高等動物が笑わない以上、あとオランウータンとかチンパンジーとかは、笑わないけども、微笑んだりしますね。

山内さん:
笑うんじゃないですか、それ。笑うんじゃないですか。何を揺れとんねん。ええ加減なこと言うとったら、承知せんぞ。

中島さん:
ほんまにね。

山内さん:
やかましわ。次の質問。

質問:
この世でいちばん不気味な笑みって何だと思いますか。

山内さん:
この世でいちばん不気味な笑み。どうですか、らもさん。

中島さん:
うーん……そうだな。

山内さん:
あのね、この世でいちばん不気味な笑みというのは、過去に体験したことがあるんですけど、それがどんな時だったか思い出せないという間ですね、今の間は。

中島さん:
昔ね、力道山が生きてた時代にアメリカからグレート東郷というね、日本人とアメリカ人のハーフのレスラーがいたんだよ。この人は「血はリングに咲く花だ」と言った人でね。しょっちゅう血まみれになるんだ。血まみれになりながら、こう肩をね。

山内さん:
オオゾラテントさんみたいに。

中島さん:
させながら、ニタァと笑って迫ってくるんだね。あれはやっぱり不気味だったな。

山内さん:
ムエタイの選手とかってパッコーンっていいのが入るでしょ。そしたら笑うんですってね、入った方が。それの訓練もするんですって。効いてないよって、ニコッってものすごい笑顔でね、あれは確かに不気味でしたね。そんなものかな。どうですからもさん。だから、不気味、まぁそんなものかな。痛いのに我慢して、でもその笑顔が普段の笑顔よりいい笑顔やで君、というのはやっぱり不気味じゃないですかね。なんか言えよ。必死で頑張っとんねやないか。

中島さん:
若い者ががんばったらええがな。

質問:
笑いというテーマからはずれるかもしれませんが、すごく気持ちがへこんでいて、ため息しか出ないような時でも、ギャグを考えないといけない時はどうされるのですか。もし一時的にでも、そのことを忘れる上手な気分転換法があるなら、教えてください。

山内さん:
なるほど、ということなんですけど。

中島さん:
あのね、こうしてね、“テケテン、テケテン、テケテン、テケテン、テケテン、テケテン”と言うと気が晴れるよ。

山内さん:
金返せ。今むっちゃくちゃおもしろいこと言いましたね。久しぶりや、笑てまいそうになったの。確かにでも、そういうのって楽しくなりますよ。

質問:
笑うというよりも、妙に納得してしまうアメリカンジョークが結構好きです。と言っても、英語はわからないので、ドラマや映画の字幕や吹き替えですが。日本語に訳されていても、ちゃんと韻を踏んでいたりして感心してしまいます。アメリカンジョークについてどう思われますか。

山内さん:
どう思われますか。

中島さん:
アメリカンジョークでもいろいろあって、パーティージョークとかね、それから大統領にはね、専門のギャグライターがふたりくらいついてるんだ。

山内さん:
マジですか、それ。専門のギャグライター。

中島さん:
うん。毎日ギャグ書いて。要するに会合が多いでしょう。ああいうところで一発かますんだ、クリントンが。

山内さん:
それ用に書いてる人が二人もいるんですか。ホンマか。ホンマにホンマですか。ウソ。それクリントンは書いてもらったやつを、みんなの前でちょっと私ユーモアもあるよというのを出す時に使う。

中島さん:
それから、全然別系統でブラックジョークみたいなのがあるでしょう。民族差別ジョークというのもね。

山内さん:
アメリカはありますよね、人種差別系のが。

中島さん:
例えばブラックジョークでいくとね、ニューヨークのダウンタウンでマンホールがあって、その蓋の上を黒人の男の子がめっちゃくちゃうれしそうな顔で「21、21、21、21」て言いながら跳んでるんだ。そこへプチブルの白人のね、小金持ちみたいな男がそれを見てて、あんまり楽しそうだから「ちょっと俺と代わってくれ」と、金やるから。それで黒人の子は「わかった、代わってやるよ」と言って、白人はマンホールのふたの上に乗って、21って言いながら跳んだとたんに、マンホールの蓋を黒人がバッとのけて、穴の中に白人がアーッと言って落ちていったところへ蓋をまたガチャンと閉めて「22、22、22」って。

山内さん:
なるほど。

中島さん:
こんなのはアメリカンのおもしろいとこだね。

山内さん:
おもしろいですね。ただ何か、たまにブラックのやつって、アメリカンジョーク、今みたいにオオッと思うんですけど、わけわからん時あるじゃないですか。オチ何とかなんだと言っても、僕ら笑われへん時って言うのがあるじゃないですか。あれ、なんでなんでしょうね。

中島さん:
何なんだろうな。何か世界中にあるよね。民族差別ジョークというのはね。まぁ、アメリカンジョークに関してはそういうとこです。

質問:
芝居をよく見るのですが、関西と関東ではウケるところが違いますよね。反応も違うし。作る側としては、客の違いを意識することはありますか。

山内さん:
あるんですか。

中島さん:
えっ。

山内さん:
寝とったな。短か。今の間に寝たん、あんた。もうちょっとやからがんばって。東京と大阪の……。

中島さん:
リリパットアーミーの芝居をもっていくと、いちばん最初に持っていった時ね、新宿のトップスでやったんだけど、もう十何年か前だな。で、最初シーンとしてるわけ。これ何だろ、この静けさはと思って。関西ではもうド頭からドカドカ笑いが来るんだけど、東京の場合はシーンとしてるわけ。3分たった。そしたらクスクスッと笑い初めて、またクスクスクスッと笑いがきて、ドカンときて、あとは全部同じ反応だったんだ。
というのは、恥をかかないために観察してるわけね。東京というのは、八戸の人と、鹿児島の人が出会うような、一緒に仕事をするような街だから、そこで共通の言語体系の下で言葉をツールとして使ってるわけだから、芝居も言葉がツールだから、そこでそれを見てて、これは笑っていいものか、笑って恥をかかないものかどうかというのを、ジーッと見てるんだね。でもその1回きりだね。あとはもう大阪とまったく一緒だったけどね。

PHOTO

山内さん:
リリパットアーミーに関しては、本当に一緒でしたよね。本当に設計図描いてるような台本で、確実にそこで笑っていただくというか、笑わさせていただくという感じで、あまり差はなかったでいすけど。劇団やめてから東京の劇団とか、大阪の劇団、いろいろ行ってますと、ああ、違うのかなという気はしますね。
でね、東京の方は基本的にね、関西の劇団とかであるとか、関西のお笑いが好きみたいですね。動員的にも関西の劇団の方が多いんですよ、東京での動員は。東京の劇団の人によく嫌味言われましたよ。「関西の劇団は人気あるからな」って。関西弁じゃないですけど。だめだね、みたいなこと言われたこともありますけど。でも、きっと東京の人は好きなんだと思いますわ、こういうベタなやつも、わりと構えてるくせに。そんなとこですか。
あのね、でも、例えば僕ら中学くらいの時に、もちろん吉本新喜劇とかね、お昼チキンラーメン食べながら、土曜の昼は新喜劇みたいな子でしたけど。スネークマンショーとかもおもしろかったですよ。大竹 まことさんとか、伊武 雅刀さんとかがやってはったんですよ。CDとか出てね。

中島さん:
細野 晴臣。

山内さん:
そうそうそうそう。ああいう何か、ちょっとエキセントリックな感性の人達が、ブラックを交えながらやっているものも、やっぱり面白かったですね。モンティパイソンとかと近い感じだと思うんですけど。東京の人はそういうの上手いですよね。ちょっとブラックな感じのやつ。だからやっぱり、大阪は何でしょうね。やっぱり「なんでやねん」とか好きですよね。でも、関西の方がホッとしますね、関西弁なんかね。されるでしょう。

質問:
笑わせるスキルはどこで磨かれたり、発見したりするのですか。

山内さん:
スキル。技術ですね。どうですか、中島さんは。まぁ、だいたい今日、しゃべってきたようなことだと思うんですけど。ちっちゃい時とかもやっぱり笑わせてた方なんですか。

中島さん:
そうだね、そういうこどもだったけど。

山内さん:
今どこやったかな……と思い出してる間ですか。

中島さん:
広告業界出身でしょ。広告の考え方というのはね、まず人がいちばん考えそうなことを考えるみるんだね。ビールに枝豆とかね。そういうのを考えてみる。それといちばん離れたことを次に考える。

山内さん:
例えばビールに枝豆だったら、何ですか。に対して。

中島さん:
醤油の一気飲みとか。

山内さん:
熱出るわ。

中島さん:
要するにそういう考え方して、なるべく離れた関係のものを想定して作っていくというので、頭がそういう鍛えられ方してるから、それでまぁコントもそういうふうになっていくんだろうね。

山内さん:
なるほどね。そうらしいですわ。おわかりいただけましたでしょうか。

フェリシモ:
中島さんが学生の時に、シュールレアリズムの自動筆記というのをまねて、全然関係のないものをバァッと描いて、先生に叱られてしまったというエピソードがありましたね。そこからもうすでにそういう萌芽があったんですね。

中島さん:
そのころはまだそういう理論って知らなかったけど、要するにお筆先みたいなね、イメージの流れの通りに作っていくみたいなことは、やってたことはやってたね。

山内さん:
なるほど。「バンドオブザナイト」って新しめの本なんですけど、あれなんかまさにそれでよね。まぁなんともいえない気持ちになるご本ですけど。

中島さん:
来るよね、あれは。

山内さん:
どこ、何が。来るよねって。何となくわかりますけど。だから、中島さんはそういう感じだそうですよ。

質問:
私はチェーホフの「桜の園」が喜劇だということに気がつきません。今も理解できません。芝居を見て笑うというのは、笑うというところが明確だと思います。もっと笑おうと思ったら、「桜の園」を笑おうと思ったら、どうしたらいいのかなと思います。らもさん、笑えますか。

山内さん:
「桜の園」って、読んだことはございますか。

中島さん:
ない。

山内さん:
それではあんまりですか、あんまりですよね。あの、チェーホフ、僕、実はやったことあるんですよ。ただね、「三人姉妹」というお芝居を「三十人姉妹」というタイトルに変えてやったので、さらにスチャラカな喜劇にしてやったので。僕らね、演劇人のくせに演劇の古典を知らないんですよね。だからチェーホフとか出てきたらね、ハッと思うんです。シェークスピアとかも。でも、その流山児事務所というところ、東京へ客演に行った時には、アングラ演劇の本をリメイクしてやったんですよ。アングラって僕は全然知らなかったんですけと、めちゃくちゃおもしろかったですよ。笑えます。何を言うてるかわからへん、それこそさっきのらもさんのイメージじゃないですけど、「私の子宮から地下鉄が」とか、グワッと着物着て言ってたりするんですよ。それはおかしいですよね。一所懸命にやられればやられるほど、おかしいです。俺の役はそのジョン シルバーというね、お話なんですけど、ジョン シルバーという海賊なんですよ。何で海賊なんかもよくわからないんですけど、でも衣装は憲兵の服なんですよ。それでね、片足ないんですよ。松葉杖でオウム乗せてるんですよ、ここに。フリントという。「ラムを1本くれ」とかと言って、港に突然現れてきたりとか。「ラムを1本、ラムを1本」「黙ってろフリント」とか。ひとりで腹話術やりながら。それおかしいでしょ。何かだからやっぱりね、チェーホフもきっとそういう楽しみ方ができるんだと思うんですよ。一回その方、中島先生に「桜の園」をプレゼントしてみてはどうでしょうか。

質問:
私は学校の卒業論文で、らもさんについて研究をしています。らもさんは文学を書いていて、救われたことはありますか。

山内さん:
という質問ですよ。起きて。仕事やで。

中島さん:
ないな。

山内さん:
ない。それなんでですか。その。

中島さん:
救われたというよりは、ひとつの体験としてはあるけどね。今すごいものを体験したとかね、そういうのはあるけれど、救われたということはないね。

山内さん:
逆にその、逆の時はあります。

中島さん:
逆の時もないな。

山内さん:
帰ろか。

中島さん:
うん。

山内さん:
いや、うんやあらへん、うんやあらへん。「救われたことがありますか」というのは、どういう感じなんですかね。大分の方だそうですが。

中島さん:
来年の1月くらいに大分にいくかもしれない。めちゃくちゃなスケジュールで、箕面でやって、箕面の能楽堂でやって。大阪で三ヵ所やるんだ。広島やって、博多でやって、大分やるかもしれなくて、鹿児島もやるかもしれないという。「トラを連れた女」という芝居です。

山内さん:
それはらもさん書いてるんですか。書いて出てる。じゃ、近いうちにまた見に来られたら会えると言うことですので。来年1月。

中島さん:
来てね。

質問:
山内さんは笑う時、どうして声が出ないんですか。

山内さん:
声が出ない。え、出ますよ。きっとね、ここにかぶらないようにとか、気を使ってるんじゃないですか。声出しますよ、わりと。でも、そうですね、こういうとこでは声を殺すことも確かにありますね。そう言われて気づきました。別に何か、どこかからだが悪いとか、そういうわけではないですか。飲みに行ったりしたらハッハッハッて言って笑ってますからね。
あのね、いちばん気持ちいいのはね、らもさんを笑わせた時にいちばん気持ちいいのは、声出して笑わはる時ですわ。やったな、ホームランやと思いますね。フン、とかはよくあるんですけど。らもさん、らもさん、この間こんなことがありましたよ。フン。というのはあるんですけど。なかなか大声では笑わない方なんで、その分大声で笑わせた時には気持ちいいですね。

中島さん:
職業病だね。だからおもしろいギャグなんだけど、見てて、あ、そうか、こうきたかとかね、そういうふうに見てしまうから。身内で、ただ山内がこんなバカなことしたという話しだと、バカ笑いするけどね。

山内さん:
「今日、金なかったんでビール券売ってここまで来ました」ハッハッハッハッて笑ってますからね。「売るなよ」言うて。

質問:
まず、自分の10年前に戻る、または自分の10年後を覗く、ならどちらがいいですか。

山内さん:
どうですか、らもさん。

中島さん:
あんまり戻りたいとは思わないね。

山内さん:
それは何でですか。

中島さん:
いろいろヘビーな目に合ってるから。

山内さん:
先ですかね。じゃ、どっちかと言うと。

中島さん:
先はね、占い師に見てもらったんだよ。前にね。そしたらね「あなたは53歳で傑作が書けます」と言われた。今までのは何だったんだ。

山内さん:
それはもう、その占い師どつき回さないとあきませんな。

中島さん:
10年先もあんまり興味ないね。

山内さん:
10年先、らもさんいくつですか。58。もうおじいちゃんですね。

中島さん:
ヨボヨボや。

山内さん:
でもらもさん、今48でしょ。ジャッキー チェンと同い年なんですよ。

中島さん:
え、ほんと。

山内さん:
かたやあんなん、かたやこんなん。えらいもんですね、人間って。58歳のらもさん、どんなんやろな。何かやらしいおっさんになってそうやな。今の間はいっぱい想像してる間ですから、ふたり。モワモワモワと。でも微妙なとこですよね、10年前も、10年先も。

中島さん:
特に18とか嫌だな。

山内さん:
18とかに戻るのは嫌ですか。何でですか。僕ちょっと戻ってみたい気もしますが。

中島さん:
不安だしさ。自分が何ができるのかもわからなういし、先行きどうなるのかもわからないし。

山内さん:
なるほどね。俺は10年戻りたいですね。先見て何か俺、「ごめん」て書いて座ってたら嫌やもん。何かそんな不安はあるんですよ、ちょっと。こんな仕事だから。

フェリシモ:
10年前とおっしゃいますと、何歳ですか。

山内さん:
18ですね、ちょうど。高校生。嫌やな、でも。俺、男子高だったんですよ。嫌やな。あのね、昼休みにエロ本が回ってくるんですよ。エロ本の裏見たら名前書いてるんですよ。「最後の人返してな」って書いてあるんです。そんなん嫌でしょう。

フェリシモ:
もし過去のことを一切なしにしたら、10年前をどんなふうに過ごしたいと、おふたりどう思われます。

山内さん:
すごいこと考えますね。らもさんなんか、過去10年の記憶が今ポンとなくなったら、ちょうど今みたいな状態になるんですかね。

中島さん:
でも、やっぱり小説書いてるだろうね。

山内さん:
ミュージシャンにはなってなかったんですかね。

中島さん:
足が短いから。

山内さん:
そんな問題やないがな。単純に下手やねん、あんた。そんな問題やない。短い人いっぱいおる。

中島さん:
9月25日に新しいのが出ます、アルバム。

山内さん:
突然何を言いだすんや、あんた。わかりやすく言うと、らもさんがバンマスのPISSというバンドがあるんですが、9月25日にセカンドのアルバムが出るんです。そこでは僕もギター弾いてますので、またチェックしてみてくださいということが言いたかったみたいです。
僕は戻りたい派ですね。もうちょっと失敗を減らしたいですね。あ、でもなくなるのか、そうか。一晩考えなあかんわ、そんなん。めっちゃ考えるわ、楽しいしな、それ。

質問:
先程のPISSというバンド活動のことなんですけれども、このCDを買いたいんですが、どこにも売ってなくて、どうすればいいんでしょう。

山内さん:
ああ、あのね、ファーストのことですかね。前に出てるやつの。すでに出てるやつはタワーレコードにひょっとしたらあるかもしれません。なかったら、確実なのは中島らも事務所に電話をしていただいて、通信販売やってますので、事務所に電話していただいて、“PISSのCDを欲しいんですけど”とおっしゃっていただければ、事務員の人が詳しく買い方を教えてくださると思うんで。
それと9月25日に発売のセカンドに関しては、タワーレコードでは確実に、タワーレコードだけでしか売らないみたいです。9月25日にお近くのタワーレコードへ行っていただくと手に入るだろうと。

フェリシモ:
ありがとうございました。それと関連させてなんですけれども、今後の中島さんと山内さんの活動の予定について、教えていただけますか。

山内さん:
中島さんは。

中島さん:
今、小説新潮に「空のオルゴール」という小説を書いてます。これが出来たらすぐ本にしようと思ってますけど。それから来年は「子供の一生」といううちの劇団のやった芝居なんですが、非常におもしろい芝居なんで、これを小説に書き直そうという動きがあります。

山内さん:
やっと。すごい怖いですよ。

中島さん:
怖いですよ。

山内さん:
おいおい。またそんなこと言うて。「後でどうかな」とか、自分でどうかなとか言うねんで。

中島さん:
そんなとこですよ。

山内さん:
私はこれが終わったら明後日から東京に行きまして「ABCミュージカル火の鳥」の稽古に入って、その「ABCミュージカル火の鳥」の稽古と一緒に、ついでにレコーディングを東京でしまして、帰ってきて9月の末から10月の末まで松竹座に出てます「火の鳥」で。それが終わったら、PISSのレコ発ライブがあるんですよ、11月に。それにうちのバンド、僕のJIZZ MONKSというのも一緒に回ります。大阪と京都だけなんですけど。JIZZ MONKSの、レコーディング今してて、JIZZ MONKSのアルバムなんですけど、来年、最初、今年の秋頃って言ってたんですけど、ちょっと時間かけて録ってますので、来年の1月、2月くらいにガガンと出ると思います。そんな感じです。

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神戸へのメッセージ

山内さん:
神戸ね。神戸久しぶりに来ました。実は震災のちょっとあとに、チキンジョージという神戸三宮にライブハウスがあるんですが、あそこが震災で潰れたというのが非常ショックで。そこですぐ作り直して、そこでお芝居やろう。バンド芝居、「ベットネックブルース」というのをやったんですよ。ひょっとしたらね、仕事で来るのはそれ以来なんですね、僕、神戸。何か三宮はね、何か遊びには来るんですけど、非常にゴミゴミしているようでゴミゴミしてなくてとか、歩きやすい街でフェイバリット・プレイスと言ってもいいかという感じですね。三宮からはこっちへ初めて来たんですけど、田舎ですね、この辺。いいとこですよね。自然が多くて。変な、見たことない虫とかつかまえられそうですもんね。なんかそういう印象でした。皆さん、今日話した感想はというと、みなさま一所懸命聞いてくれたので、私もうれしかったです。中島先生、どうですか。

中島さん:
俺は神戸っ子なんですよね。本山第一小学校という、岡本にある小学校を出まして、それから住吉の灘校へ行ってましたので、遊ぶと言えばだいたい三宮だったんですけども。俺というのはすごい方向音痴なんですよ。道を歩く時にここにそば屋があって、あっちにビリヤードがあってとか、そういう覚え方でないと、北西へ行ってとか、覚えられないんですよ。去年三宮で遊んでたら、もう目印が全部なくなってるんで、びっくりしちゃいまして。ただただ、加納町方面へ歩いてみようとかそれくらいで、トアロードとか、鯉川筋とか、全部目印がなくなって変わってるんで、びっくりしました。今日のお客さんは非常によく聞いていただいて、うれしかったです。ありがとうございました。

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Profile

中島 らも(なかじま らも)さん<作家>

中島 らも(なかじま らも)さん
<作家>
*プロフィールは、ご講演当時のものです。
大阪芸術大学放送学科卒。1984年から10年間「朝日新聞」連載の「明るい悩み相談室」で注目される。1986年より劇団「リリパット・アーミー」を主宰。1996年夏より結成のロックバンド「PISS」でヴォーカル、サイドギターを担当。小説・エッセイ・脚本はもとより新作落語の創作、ラジオのパーソナリティと活動は多岐にわたる。2004年7月に亡くなる。


山内 圭哉(やまうち たかや)さん
<役者・ミュージシャン>
*プロフィールは、ご講演当時のものです。
こどものころは児童劇団に所属。映画『瀬戸内少年野球団』に主演(子役)する。1992年より劇団「リリパット・アーミー」に入団。1993年夏「なにもとらわれない音楽」をコンセプトにバンド結成。ラジオ、テレビのパーソナリティをはじめ、エッセイの連載、脚本執筆もこなす多才ぶり。劇団退団後、バンドを活動の中心にしているが、独特の風貌と演技力が買われ、客演も多数。1997年Scarab Recordsより『THRASH JAZZ ASSASSIN』を初CDとしてリリース。1999年10月、RIPレコードよりCDリリース。(THE JIZZ MONKS)今後も多方面での活躍が期待される。

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その他のゲスト

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