神戸学校

神戸学校はフェリシモが主催する「神戸発 生活デザイン学校」です。

  • パトリス ジュリアンさん(ライフスタイルプロデューサー)<br>パトリス・ジュリアンさんには、神戸学校リニューアル「生活デザイン学校」の基調講演として2回目のご出演をしていただきました。
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パトリス・ジュリアンさんには、神戸学校リニューアル「生活デザイン学校」の基調講演として2回目のご出演をしていただきました。レポート

「2002年度神戸学校『生活デザイン学校』開校特別講演『生活をアートに』」



<第1部>

生活を楽しむライフスタイルをお仕事に。

この神戸学校のライフデザインというコンセプトは、2002年ですごく大事なテーマだと思います。私が最初、この仕事を始めたのは自分の生活を楽しむことだと思ったんですね。その時はフランス大使館に勤めていて、自分の家でこんなものを使って、こういう花を使って、こういうケーキを作って……。これはライフスタイル、とても当たり前のことでした。それが縁で、『フランス料理ABC』(文化出版局)という本を出しました。その本を出す前、40歳の時に、40年間の人生をまとめて本を書きました。その本は『物語の主人公になる方法』(にじゅうに出版)という本でした。その本を書いてから私の人生、ライフスタイルはすごく変わりました。
最初、日本語で本を出したかったんですね。でもむずかしくてできなかった。それで私は料理の本から始めました。その『フランス料理ABC』は簡単なスタートから、お皿から人生は変わるっていうアイデアでした。そしてレストランをつくりました。それから、『生活はアート』(幻冬舎)というエッセイを出しました。そして、私のファンがスタッフになりました。私のところではスタッフは募集してないんですね。「パトリス ジュリアンの世界は好きな世界、一緒に働こう」っていう、そういう人たちと一緒に私の仕事は始まります。それは表の世界です。そして現場に入って裏の世界に入ります。例えば演劇。お客さまはすごく喜ぶんですけど、演じる人は大変です。勉強して、夜遅くなって、大変な生活になっています。それでみんな少しずつ、最初の気持ちはくずれてしまう。

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それで私の最初は雑貨の世界、おいしい料理の世界から精神の世界に入りました。だから私たちの人生は雑貨からよくなるんじゃなくて、精神からよくなります。だから私は今も会社、国、全部精神です。人間は心だから。私のファンはその話でどんどん渋くなって少なくなります。でもそれはしょうがないです。例えば、パトリス ジュリアンに「どうやって雑貨でテーブルをアレンジしたらいいか」っていう質問の答えはすごく簡単。だけど雑貨でアレンジしても、その後自分の心が変わらないとダメになっちゃう。そしてダメな社会人になっちゃう。ダメなお母さんになっちゃう。ダメな人間になっちゃう。雑貨とかライフスタイルは飾り物じゃないです。いい心がある時、雑貨は必要ないんです。いちばんいい雑貨は心。

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パトリス ジュリアンの50年間のサバイバルキット。
それはパトリス流ライフルールです。

私は今50歳。今日はその50年間のサバイバルキットを紹介します。パトリス ジュリアンという人間が50歳まで生きて来たのはそのキットのおかげです。それは、私の考えたライフルールです。それが自分に合うか合わないかはみなさんが自分で決めてください。私がどうやって人生を見ているかそういうことを説明します。その中でただアイデアだけじゃなくて、ちゃんとそのルールを使ったら、もしかしておもしろいことがあると思います。
これからするお話は、もしかしてみなさんの中で宗教的な部分があるかもしれません。宗教の意味は道ということです。どういう宗教でも道を持っている。この道のことをわかってもわからなくても道があるんですね。自分が歩くところが道です。道のない道もあるんです。ここまで(前後左右1歩ずつ踏み出す)は道がある。自分がただ立つだけも道です。それは宗教です。人生も神さまも、信じても信じなくても……。
まず私たち、今ここにいる人たちは生きているんです。みんなここにいる人たち、私も、目で見ている、耳で聞いている、私たちはここにいる。それはライフです。それはいちばん大きいミステリーです。私たちはここにいるのが当たり前のことだと思っています。でも当たり前じゃないです。ここにいるは、ひとつの大きな疑問です。ここには誰がいるんだ、私がいる、私は誰。私は誰、おもしろい疑問です。それは人生です。人生はずっとこの疑問が出てきます。自己紹介をする時、名刺を渡します。でもその名刺以上、その肩書き以上の私がいるということです。そして、まず外から始めましょう。私たちは、みんなの格好を見るとか、洋服を見るとか、スタイルを見るとか、個性を見ている、ライフスタイルがあります。ライフスタイル、いちばん外の部分です。
どうしてライフのスタイルが出て来たか、ライフがあるからライフスタイルがあります。ライフフォースはライフのエネルギーです。そのエネルギーはどこから来るかはわかりませんけど、心臓は私たちの意思で働くのではないです。呼吸は私たちの意思でやるのではないです。そのライフフォースはライフに行く、そのライフからライフスタイルが生まれる。それを考えたら人間の中でどういう形になりますか。まずライフスタイルはマインドです。考えること、私たちは朝、鏡を見てどういう洋服がいいかなと考えます。それはマインドで選ぶんです。そして、ライフの方はどういうところか、それはハートです。まず、マインド、ハートです。そしてライフフォースはどこからか、そしてスピリットです。スピリットは私たちの中で呼んでいる魂。魂のエネルギーです。だから私たちはいつもだいたいここにいます。

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この人の顔は好きとか、好きじゃないとか、この服はダサいとか、おしゃれとか、そういうことを結構考えます。雑誌におしゃれなお店が出ていたとか、かわいい雑貨とか、そういうことですね。それでワンレベル下に行くと、ハートのことになるんですね。たまにすごくつまらない人がいて、その人と少し話して、どんどん深くなって、心と心のつながりができると、その人とあまり言葉は使わなくてもすごく素敵なコミュニケーションになっています。それがハートのコミュニケーションです。でも、人じゃなくてひとつの景色があって、川があって山がある、それを見てマインドで川があります、木があります、山があります。そして全体的にひとつのものになって、心の中で静かになるんですね。それは自然の命と私たちのハートの流れになっています。それはハートのこと、そのスピリットのことで、それは深くなると沈黙の世界です。すごく静かにしたらなんともいえないことが流れます。例えば自分は瞑想すると、無意識で呼吸しているということで「あらっ」という自分の中で不思議なことがあります。自分は意識してないけど呼吸している。それはライフフォースのパワーが働いているんです。まずこのパターンを覚えといてください。すごく大事です。
自分が困った時、そのことを考えると私の困ったところはどこであるかっていうことですよね。例えば、会社で問題がありました。上の人とコミュニケーションの問題があってぶつかりました。その時はライフスタイルのところで問題ができました。中にあるライフのレベル、ハートのコミュニケーションはどうなっているか考えます。そしてそのレベルでまた疑問が残ると、魂の世界にどういう問題があったのか。頭で解決することじゃなく、心の中で静かに質問して、答えが出るんです。答えが出る。そのところで、よくソウルメイトという言葉を使っているんですね。例えばカップル、ひとつの町、ひとつの国、ひとつの世界、世界は広い、なんでこのふたりは出会ったのか。ライフスタイルのところじゃないと思います。これは魂をふたつ割ったんですね。その魂のレベルは、ライフ、ミッション、ライフミッションということで、その人生にきた理由です。そのところで出会った、そのところでうまくいった、うまくいかない時でも。それは全部ひとつのライフミッションということです。ライフプランです。私の人生には、ライフミッションには、ライフプランには偶然は一切ないです。全部縁です。縁は日本の文化の言葉。なぜ出会った、縁があったから。なんでこの仕事に入った、縁があったから。偶然じゃない。縁がある。辞める時、入る時、自分が動く時にはすごく大事な考え方ですね。
みなさん、今までの人生の中で大変な時を思い出してください。その時はただ大変だけでしたか。その後どうなりましたか。普通、人生はこんな感じ(山型)にならないです。本当に私たちはこんな感じ(でこぼこ)になっている。ライフスタイルからライフフォースに入ってまた戻る、こんな感じになっているんです。例えば、急にお金持ちになって、王さまみたいになっている。どんどんライフスタイルはふくらむんだけど、急に、好きな人が死んだりとか、会社で大きな問題があったり、こんな感じになっている。その時はここ、ライフフォースにしかこないです。大変な時はやっぱり、最初のスタートですね。いっぺんに全部クリアにすることじゃないと思うんです。これがまずひとつのパターン。
そしてもうひとつは、私たち、人間のいちばんメインの道具は意識です。その意識はこのスクリーンと全く同じ感じです。今私はここに立っています。みなさんがここにいます。私の意識の中にみなさんがいます。みなさんの意識の中に私はいます。目を閉じると私はいなくなり、みなさんもいなくなります。でも意識があります。その意識は映画のスクリーンです。私たちが海に行くと海の映画、ティールームに行くと、ティールームの映画になります。違うところに行くと、違う映画。真っ白のスクリーンの上にイメージが入ります。プロジェクターがあります。そのプロジェクターはイマジネーション。ここは意識。あとここは、このフィルターは私たちの世界です。私たちが呼んでいるリアリティー。イマジネーションから映画をスクリーンにいつも行きます。多分みんな、イマジネーションはここだと思っているかもしれないけど、リアリティーはここです。例えば、私たちは寝る時、まわりは全く一緒ですね。変わっていない。この部屋で私は寝たらこの部屋は変わらない。変わるのは私の意識のところ。夢が出てくるでしょ。その夢はここに写ります。例えば、今日は元気で起きます。でも雨です。私は元気だから大丈夫っていう感じで、元気に歩きます。だけどリアリティーは雨です。イマジネーションの中は元気。だから今日は元気な雨です。でも次の日はすごくさみしい。同じ雨です。雨はさみしいな、と思うんですね。今日は暗い、今日は寒い、今日は傘忘れた、今日は電車の時間も間違えた。そしてさみしさはこの意識のところに出てきます。

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英語で「I am….」そのところで「I am sad.」と言ったら、寂しい映画になっちゃう。「I am happy.」と言ったらイマジネーションでこの映画は楽しい映画になる。そういうことですね。例えば、私がたまにレストランのお客さんに聞くのは「お仕事は何ですか」「私は普通のお仕事をやっている」と言います。普通のサラリーマンということですね。意識のところで普通のサラリーマンっていう映画になる。私はダメって言ったら『私はダメ』というタイトルの映画ということです。だからいつもイマジネーションからリアリティーを見てどんどん、その意識はこんな感じになるんです。それはベーシックなパターンですね。私は40歳の時にそれに気づいて、自分の人生を見たらおもしろいなと思いました。いろいろなルールを見つけたんです。自分の人生は映画だということです。

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人生は映画。
自分はその映画の監督なんです。

その映画についてお話します。映画は誰がつくっていますか。監督です。映画監督は誰でしょうか。私やみなさんそれぞれが映画監督です。ひとつの問題があるんです。こどもの時の映画監督は誰でしたか? まずお父さんとお母さんです。お父さんとお母さんがまず映画をつくる。「これを食べなさい」「こういう洋服を着なさい」「これをしてください」そして「学校で勉強をしてください」と……。その時、お父さんとお母さんは違う映画監督学校に行って、この映画監督学校の影響を受けて自分の形ができたんです。正しいか正しくないかは別なことだけど。でもそれは自分じゃないものです。お父さんとお母さんから受けた影響は自分と別。でも仕方がない状態だからそれを受けます。でもその時、お父さんとお母さんは「いつもあなたは……」って言ってるんです。いつも「あなたはいじわる」「あなたはいい子」って言ってるんです。「あなたはわがまま」って、何回も何回も言ったら、自分はわがままだと思い込みます。その時、意識のところで、わがままな者になっちゃう。「私はダメ、私は学校で何もできない」だから『私は学校で何もできない』という映画をつくる、そういう形になります。それを考えたら、最初はお父さんとお母さん、お父さんとお母さんの代わりに先生、お母さんとお父さんの代わりにその環境、まわりの世界、そのまわりの村が映画監督学校です。そのまわりの人たちから「この子はすごくいい子です。どうやっていい子になりましたか」とやさしくされます。「あぁ、この子はいい子ですよ」と……。「自分はいい子」っていうことは社会的にはすごくいいことだから自分は40歳になってもずっといい子なんです。 例えば、会社で問題が出てきて「じゃあ辞めます」と違う会社に行きます。新しい会社で「いい会社だなー。素敵ね、やっぱり辞めてよかった」となります。でもまたどんどん苦しくなって、また同じ問題が出てきたら、今度も「この会社はよくない、じゃあ違う会社に行きましょう」と……。この映画をよく見ると、それはお父さんとお母さんが悪いということじゃなく、もう仕方がないね、赤ちゃんの時代で自分は何もできなかった、ずっとお父さんとお母さんが買った洋服だから私は着るっていう……。その1歳の時の洋服だと小さくなるんだと思います。映画も一緒ですね。お父さんとお母さんの時代の映画だから。でも捨てるだけじゃなくて、まずよく見る。よく考える、その時は。

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例えば、18歳になって、20歳になってお父さんとお母さんは「いつ結婚する?」っていう話をします。だけど自分の映画は変わっていなくて、ずっと赤ちゃん。お母さんが「いつ結婚する」と言われると「お母さんいい情報があります。これから結婚します」それで結婚してしあわせになりますけど、急に「あら、しあわせじゃないな。じゃあ離婚します」となります。離婚した時はどういう問題か、お母さんの夢、映画を使って自分が歩いていたから、自分に合わない映画になったんです。だから、離婚が多いんです。どうしてか。自分のではない映画で歩いていた主人公は「あれ? なんの世界でしょうか。私はしあわせだと思わない」だから離婚する。だけどまた離婚しても同じ映画を持っていきます。だからもう1回その映画をよく見て、そして自分の中でライフフォースに「私のミッションはなんでしょうか」と考えるんです。だから、みなさんは映画監督です。その最初の映画はお父さん、お母さん、先生、会社の人、会社の社長、ご近所の人たちが社会全体的に監督になっています。その監督たちに「ありがとうございました。お世話になりました。けど、これから私は独立します」。そしてありがたい気持ちで「これからは自分で歩きます」と……。そしてこれから作業が始まります。その作業はまず監督をすること、大事なところは主人公。主人公は監督のつくる人間です。何でも主人公をつくるんだけど、主人公は主人公。監督は監督。いちばん偉いのは監督。監督は毎日主人公をつくってもいいんです。ひとつの人生でひとりの主人公でもいい、それはそれぞれの人間のキャラクターです。例えば、ずっと旅をしたい人。その監督、私の主人公は旅をする主人公。その主人公をずっとイメージします。でも主人公は監督をいつでも呼んで、ゼロにしてまた白い紙で新しく書きます。だから自分がダメになっても全然違うことができるんです。
『フランス料理ABC』を作った時、私のカメラマンの前職は普通のアパレル会社のサラリーマンでした。その人はがんばってカメラマンになりました。その人の映画はカメラマンという主人公です。まず主人公。何か映画を見る時、本を読む時、なんで主人公が動きますか。例えば、ラブストーリーだったら主人公は花を探しています。アドベンチャーだったらアドベンチャーを探しています。ポリスだったら悪い人を探します。主人公は目的がないと動けないです。その目的が本当に大事です。これからみなさんがライフプランを書くのなら監督です。監督は本当に透明です。ただライフフォースを借りて映画をつくるだけ。本当の監督はお金があって映画をつくります。私たちは人生から力を借りて映画をつくります。私の方がやりやすいですね。エネルギーがありますね。私たちの主人公はどういう主人公かっていうことですね。それはどういう形、シェイプ、クオリティー、頭の中でどういうものを持っている、どういう洋服を着る、どういう家に住んいでる。ディテールで考えるんです。主人公を考える時はディテール全部が大事です。中途半端なことになると映画は全部中途半端です。
例えば、私の主人公は素敵なところで住んでいます。お金がないから今は仕方がないのでこのアパートに住んでいるんだけど、これから私の主人公はこういうところに住みます。主人公は26歳で社長をやって、田舎でコンピュータグラフィックスやっていて、夢はランボルギーニっていうすごく高い車に乗る夢を持っていました。彼はランボルギーニを持っている主人公だと思った。それで東京に行ったら「絶対私は1年でランボルギーニを持ちます」そういう約束をしていた人です。その願望を持っている主人公、彼は小さいアパートを借りて会社を始めました。有限会社を始めて若い人とホームページの仕事から始まりました。すごくクリエイティブな人たちだったからもう1年でその主人公はランボルギーニを持って、そして会社は大きくなっていきます。決めるのは外からじゃなくて、その夢。自分はお金がないから、今はできない、だからスタートをしない、中途半端な主人公でいい、それではずっとダメになります。だからまず主人公。そして目的。あともうひとつは出演者。自分の映画にほかの出演者がいます。自分の周りの友だちを見て、その友だちは私の主人公の夢に合うか合わないか、というチェックポイントがあるんです。例えば、友だちに「私はこんな夢を持っている。これから私は監督でそういう映画をつくります」って。友だちは「でもあなたはお金がない。あなたはどうする、あなたにこれができるか」っなんて言う人は友だちじゃない。その人はあなたの人生の映画監督になりたい人たち。それはいちばん危険な友だち。だけど「私は映画監督だけど本当の映画はあまり自信がないからアドバイスしてください」よくそういうお願いがきます。その時は、その友だちが悪いんじゃなくて、この映画監督が悪いんです。だから映画監督をセレクトした時はその友だちは友だちだけ。映画監督じゃない。相談はしない。友だちとしてだけで会い、お茶を飲み、話します。アドバイスは聞いてもいんだけど自分はその人に映画監督の仕事は渡しません。そして、ひとつのニュアンスがあります。やっぱり目的を考えて絶対あたるということはないです。それも大事なポイントです。

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例えば、主人公は主婦、目的はしあわせ。しあわせは何ですか。主婦になりたいんなら、まず旦那さんは大事ですよね。そしてこどもです。これでしあわせですか。旦那さんとこどもがいるとしあわせになるかという疑問が出てくるんですね。私はしあわせという目的は目的じゃないです。先に言った、仕事は何ですか。普通のサラリーマンということと全く一緒。私は主婦になりたい。主婦は何ですか。主婦はどういう人間ですか。なんのミッションで生きているか、ということです。だから私の目的はしあわせというのは目的じゃない。私の目的は旦那さんとか奥さんということじゃない。私はこどもがいるとしあわせというのは答えにならないです。こどもに「お母さん、しあわせは何ですか」と聞かれて「こどもがいることがしあわせです」と言ったら多分足りないと思います。でもそういう人は多いです。こどもをつくったらしあわせが出てくる。そしてその時、いちばんさみしいのはこどもです。こどもをつくることが目的で生きているのなら、それは動物です。人間は動物じゃないです。
また、私は金持ちになりたい。お金がいっぱいあるとあなたはしあわせになるか。例えば、エルヴィス プレスリー、マリリン モンローは自殺をしています。どうして自殺をするか。お金でしあわせになれたと思ったのにしあわせにならない。だからしあわせになるには、私は誰っていう疑問が大事。この人生で私は何になりたい。自分の中に何がある。例えば、自分は全然料理が好きじゃないなら料理人にならないです。これくらいのところで立っていて怖い人はマウンテンクライミングやらないです。一所懸命やって、大丈夫だったらOK、そういうミッションもあるんですけど。だから私は誰か。だからそのところで、さっきのここはマインド、ここはハート、そのレベルで自分の心の中に何があるか。コミュニケーションが好きじゃない人はPRの仕事を始めるのはかわいそう。例えば、私のレストランに人が入って、キッチン希望。キッチン希望だけどキッチンの腕は全然ないです。でもコミュニケーションのパワー持っているその人には「あなたはやっぱり料理ができますよ。一所懸命勉強すればできるようになりますよ、でも本当に大変ですよ。でもコミュニケーションだったら10倍のパワーが出せます」と話し、その人にはホールの仕事をすすめます。自分も監督としてアクターを選ぶ時はその絵が似合う人を選ぶんです。例えば、おじいさんのパンツだったら若い人は選ばないですね。一所懸命おじいさんのスタイルにするとその人はかわいそう。うまくできないですよね。逆に若い人のパンツだったら若い人を使った方がいいと思います。だから自分の心の中のあるものをよく聞きます。そういうところでひとつの危ないプロセスがあります。そのプロセスはラベリング。ラベリングはラベルをつくること。私は前フランス大使館の仕事をしていた時、外交官のプレートがあって、どんなところに車を停めてもおまわりさんは何も言わないので、すごく便利でした。そして私は独立する時みんなが「パトリスはこれから普通の人間になる。よく考えてください」って言っていたんですね。
それはラベルです。ひとつのラベルです。社長、先生、外交官、いろいろなラベルがあるんです。でもラベルはただのステッカーなんです。ラベルは剥がすはものです。でも自分の心は剥がすものじゃない。だから自分の主人公をつくる時、ライフミッションをやる時はなんでもOK。なんでもOK。つまらない仕事も自分が好きだったらそれはOKです。
友だちが最近占いの本を出しました。10の質問があって、それに答えたら「あなたは○○タイプ」「あなたは△△タイプ」「あなたは□□タイプ」とか……、すごく当たります。どういう意味かというと、私たちは今ラベル人間になっているんです。心で占いをするんじゃなくて、ラベルで占いをするんですね。そういう時代になりました。だから自分はラベルをはずす、行くレストランをはずす、読む雑誌をはずすと、自分は裸になって怖い。でもその状態から本当の自分が出てきます。だからラベル人間やブランド人間はいつも安心さがないんですよ。今はトレンディ、今度このブランドなくなったらどうしたらいいか、また違うブランドを買って、お金使って安心します。ブランドはいいんだと思います。ただ間違えるのは悪い。それは自分じゃない。主人公の洋服です。だから映画をつくる時も主人公の洋服は選びます。でもそれは本当の自分じゃないです。そして、これから監督の仕事をやるならひとつの道具は私たちがここにいるのは、からだでいるんです。(からだをホワイトボードに書く)。ここにハートがあります。ここにおへそ。そしてここ(ハートからおへそ)はライフスタイルの部分です。

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私たちが人のライフスタイルを見る目。ディスコに行ってDJを聞く耳。食べるのは口。ここからマインドです。マインドは頭。あとスピリット。スピリットは足です。そのマインドの世界は、例えば、問題が出てくる時はいつも頭で動きます。頭でクエスチョン「どうしたらいい?」と動くんです。クエスチョンは、ここは柔らかい、でもここは硬いというところがあります。硬いところはここ(頭から肩くらい)からみんな肩こりになっちゃう。肩こりになるのはストレスが全部このところで溜まっちゃう。このところでストップします。そしてたまにはこの部分を分離しちゃう。体のエネルギーは上から下まで、下から上まで普通は流れます。自然で柔らかくて全部動きます。でも疑問ばっかりだと、ここのところに止まって、ここ(首もと)に来ます。あと胃に来ます。ここ(首もと)も苦しくなったりします。マインドの世界。私たちが呼吸するはこのところ(首もとから胸あたり)。今度はここ(胸からおへそあたり)、外から来る呼吸はここ(胸あたり)に入るんです。ここはハートの世界。呼吸はここに入ると、自分では考えません。試してみてください。最初はここで呼吸して止めてください、こんな感じで。でもストレスが入るとこんな感じです。この世界になります。
今度はね、不思議なことを書いたんですけど、みんなはスピリットはこっち(頭)だと思っているんだけど、私はスピリットはこっち(足あたり)に書いたんです。どうしてか。人生の基本、人生のベースです。人生のベースは私たちの足です。足で生きているかお尻で生きているか。座った時、ベースはとても安定しています。動かない、誰かがぶつかった時も動かない。ダルマは、いちばん下に重りがあります。動かしてもダルマはいつも立っています。自分もそう。だから呼吸をするとここまで(おへそあたり)まで呼吸をすること。安定します。どんどん自分は真ん中でその力が入ってるんですね。だから自分もこの力で繋がっています。地球の真ん中までは線があって、私と地球はひとつだと思ったら、ここから(頭あたり)呼吸が入って安定しています。心配がある時は私の足はしっかりしています。この力を守っています。それはマザーアースと呼んでください。だから歩く時は力があるんですね。お月さまに行って歩く映画を見たことがありますか。ムーンウォークになっているでしょ。こんな世界だったら私たちは違う生活になります。でも地球にいる。この安定さはすごく大事。みんなが持っている道具だから使ってください。
そしてそれは聞くだけじゃなくて自分をつかむ道具。それを少しずつ使ったら人生の魔法が出てきます。出てくる。今日は『物語の主人公になる方法』の内容が大事だと思ったから伝えました。

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<第2部>

お客さまとのQ&A

お客さま:
落ち込んだ時やマイナス思考になった時、リセットしてプラス思考に持っていくことが大切だと思います。悪い思考をリセットする時に有効なこととか、こうしたらいいよというアドバイスをいただけますか?

パトリスさん:
まず体の動きから見ると、呼吸は、自分が呼吸するんじゃないだと思います。例えば、プールの水の中に入ったら呼吸はできない。でもリミットになって上に上がって「バン」と自然に呼吸をします。
今の時代の間違いは、人生イコールしあわせというイメージ。これは間違えているビジョンです。人生には明るい時と暗い時があるんです。昼があれば夜があるんです。ずっと昼にはならないです。たまに答えが出てこない時はその答えは受けるだけ。意識を持って受けると変わります。例えば、禅で試練がある時は試練が嫌いになったら大変です。だから友だちにする。だから自然に答えは出てくる。例えば、冬に桜は咲きません。桜は3月まで待つと自然に咲きます。大変な時は意味があります。その意味は絶対出てきます。それでいいんじゃないでしょうか。
私は大変な時に「大丈夫」って言っています。逆に大丈夫な時は心配してください。どうしてか、大丈夫な時は気を抜きます。例えば、今の会社で、上の人はずっと大丈夫だと思っていたんです。でも大丈夫じゃないと思ったスタッフがいた、でも私は大丈夫って言っていた。それが急に大丈夫じゃなくなったんです。カップルでも、安心している時は気をつけないです。気をつけるということは、気を抜けない状態です。試練でもしあわせでも一緒のこと。しあわせな時は、どうして私はしあわせ? しあわせから離れたい気持ちがないですね。でも試練の時、大変な時、疑問がある時は離れたい。でも離れることじゃない。しあわせでも試練でも同じです。つまらない仕事をやってください。どうしてか。つまらない仕事をやりながら自分にすごく注意するんですね。ただ人間は自分の力しか持っていないですね。自分のやりたいことをやるだけ。責任を持ってやりたいことをやる。その中で自分は監督、映画をつくる。そして人生の答えがある。そういうことですね。
一時期私のキッチンはエアコンがなかったんですね。東京の夏は暑い、すごかったんだけど、じゃあ、お客さまに涼しいサラダをつくろうとか、こういう料理を作ったらもしかして喜ぶかも……。私は夏の暑いところで、その時来たお客さんの気持ちになって料理を考えました。けれども1年前にエアコンをつけてから、そのイマジネーションはなくなりました。どうしてつけたのかと言うと、スタッフが苦しんでしょうがなかったからです。今はスタッフに「今日はどういう天気ですか」「どういう温度ですか」と聞きます、それで想像しながら料理をつくります。痛みをよく聞く、苦しいことをよく聞くと、答えはどんどん出てくるということです。自分のパワーがすごく出てくるんだと思います。人生の魔法です。

お客さま:
『物語の主人公になる』という本の中でいちばん伝えたいこと、自分の物語の主人公になるために、いちばん伝えたいメッセージをお聞かせください。

パトリスさん:
いちばん伝えたいのは、私たちはひとりひとりが映画監督なんだけど、私たちの世界は、やっていることは人類のためなんです。結構自分の人生だけだと思っている人が多いんだと思うんですね。でも自分が人間らしくなるとまわりの人類がすごく全体的に上がるんだと思います。『How to be perfect人間』っていう本だったんです。自分の経験からそういう本を書きました。人類のためのメッセージで、すごくベーッシックでシンプル。自分の人生は自分がつくるものです。もうひとつは一部任せることも大事。自分ができないところは任せる。それもポイントです。

お客さま:
パトリスさんご自身のライフミッションについてお聞きします。どんなふうにたどり着いたのかということもあわせて教えていただけますか。

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パトリスさん:
ライフミッションはいっぺんに出てくるものじゃないです。私は最初学校の先生でした。その学校は職人の学校で、文化に興味のない人たちばかりだったんです。私も若くて大変でした。最初は毎日帰って泣いていました。そういうところはお父さんとお母さんの監督としてのシナリオがあったんですね。私の父は先生だったんです。そのシナリオに入って大学から出て、公務員の安全な世界が始まるというそういう時に「バンッ」とぶつかって「あらっ」ってことです。そして「自分は今答えがない。どうしよう」っていうことで、そして心の中で答えが来た。私の心から「パトリス、あなたは演劇が好き、なんで演劇はやらない」と。「じゃあ演劇の学校に入りましょう」って。だから、学校が終わっても泣く時間はなくなりました。すごく元気になって、今度は私の好きなことを生徒に教えたんです。フランス文学の中で、生徒に「私たちは演劇をやりましょう」と言ったんです。そしてすごくつまらない学校の中で急にイキイキしている人たちがいたんですね。私は好きなことをやることが私のミッションになりました。そしてその人たちも好きになって「この先生はいい先生だ」と、一緒に楽しんでましたね。楽しんだ人たちから愛情がいっぱい来ました。まず、最初は自分から愛情を出したんです。
その後外務省の仕事に入って、外務省はわりとグレーっぽい世界です。私は全部チェンジしました。そして秘書たちがそれを見て「あの人は不思議だなーって」。それから、コミュニケーションが悪かったので、みんなに2000円ずつ出してもらってエスプレッソマシーンを買い、コーヒーを飲みながら話すようにしました。それで人が集まりました。私のミッションはその機会をつくる人、そして今度は急に人が集まって一緒にやると問題が出てくるんです。まず自分の問題です。その問題を解決して、どんどん精神のことがわかってきたんです。そして自分のソリューションを見つけてまわりの人を見ると「あなたの今の現場の問題はその問題じゃないよ」って言うんです。話したらお父さんお母さんのことが出てくる、昔のトラウマが出てくる、今度は自分のミッションはそれをハーモナイズするミッションになっている、だから自分のミッションは手伝いする、手伝いながらどんどんおもしろいことが出てくる、愛情が出てくるんです。
人間の人生はやさしいところが愛情です。ギブアンドテイクじゃない、ギブだけが人生。100%ギブする。100%ギブとミッションが生まれる。それしかないです。

フェリシモ:
パトリスさんは「自分の人生、映画の主人公になる」というところで、ライフミッションということが大切だとおっしゃっています。それは私たちのコンセプト「自分自身の人生をプロデュースしていただきたい」というところと重なるところがあると思います。自分がどんなものが好きなのか、自分がどんな人間なのかということ自体がわからない人が多いと思うんですけれど、そのライフミッションを見つけ出す方法はありますか。

パトリスさん:
ひとつのおもしろい道具があるんです、それは日記。日記はすごく大切な道具です。ライフジャーナルはおもしろい形があります。例えば、こどものころ好きだったおじいさん、好きな神さま。疑問がある時、日記でおじいさんや神さまと会話をします。始めたころは結構おもしろかった。「今日はこういうことがあった、こういう疑問があった」と日記に書いたんです。そして来た答えは「こんばんは」。びっくりしましたよ。
今度は向こうから質問が出てきます、心から。「あなたは何したい」って。私はそれで考えます。「本当に何をしたいか」って……。どんどん意味が出てくるんですよ。その会話の形がおもしろいんです。それはシンプルな方法。たまに答えは出てこない。その時は質問を書きます、何も考えないように、自然に答えが出てきます。そのリラックスした状態の時に答えが来ます。どういうふうになっているとか、それは忘れて、ただ書くんですね。そして流れが止まるんです。
必要なら毎日書きます。疑問がある時は会話します。すごくおもしろいですよ。日記があるから大丈夫という感じがします。すごくかしこいやり方だと思います。みなさんもトライしたらびっくりしますよ。会話の形で、自分は本当にお友だちみたいで、なんでも窓口になっちゃうんですから。それは大事な窓口。すごく愛情を感じるところから流れています。よく日本人で死んだ人がそばにいるような気がする、そういうスピリット。それが正しいか正しくないということは別。ただ答えを見つける。あまりライフミッションについてプレッシャーをかけて、見つけようということじゃないですね。日本人はがんばりすぎだと思いますね。そこをちょっとリラックスするといいと思います。例えば、緊張するといい生け花にならない。緊張するといい茶道にならない。合気道も一緒。だから自然なリラクゼーションが必要。座禅は、かたそうに見えてリラクゼーションです。体を自然な重さで任せる。人生を自然な重さに任せるということ、それもポイントです。私、パトリスはしあわせそうに見えてもしあわせということはないです。100%しあわせだと感じる時は死ぬ時だと思います。

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Profile

パトリス ジュリアンさん<ライフスタイルプロデューサー>

パトリス ジュリアンさん
<ライフスタイルプロデューサー>
*プロフィールは、ご講演当時のものです。
パトリス・ジュリアンさんには、神戸学校リニューアル「生活デザイン学校」の基調講演として2回目のご出演をしていただきました。
東京白金台「C.F.A(サントル・フランセ・デ・ザール)」のオーナー・シェフ。「アートな生活」を創造・表現する独自の感性は多くのファンを魅了し、エッセイ『いんげん豆がおしえてくれたこと』など著書も好評。TVや雑誌でも大活躍中。

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