神戸学校

神戸学校はフェリシモが主催する「神戸発 生活デザイン学校」です。

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「一緒に考えよう自然のこと~見たり・聴いたり・話したり~」



<第1部>

「一緒に考えよう自然のこと~見たり・聴いたり・話したり~」
上田 崇順さん(アナウンサー)

上田さん:
こんにちは。どうぞよろしくお願いします。

フェリシモ:
さっそくですが、自己紹介も兼ねて、上田さんご自身のことをお伺いします。
アナウンサーの上田さんは、ふだんはどのようなお仕事をされていますか?

上田さん:
すごくいっぱいあります。毎日放送はテレビもラジオもありますので、テレビの仕事をしたり、ラジオの仕事をしたり、原稿を読んだり、ニュースを読んだり、テレビに出たり、ラジオに出たり、取材したり、あちこち行ったり、人に話を聞いたり、そんなことをしてますね。

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フェリシモ:
アナウンサーになったきっかけはありますか?

上田さん:
僕の場合はちょっと変わってまして、なりたくてなりたくて一所懸命勉強してなる人もいるんですけど、僕はたまたま……。「アナウンサーの試験を受けなさい」って言ってくれた人がいたんです。僕は本当はカメラマンになりたかったんです。技術の仕事がしたかったんですけど、たまたま「どうやったらそういう仕事ができますか?」っていう相談を学校の先輩に行ったら「あなた、アナウンサーを受けなさい」と言われて……。よくわからなかったんですけど、試しに受けたらおもしろくなって。きっと会社も「変なのがいるな?」と思ったんでしょうね。そんないい加減な経緯です。僕の場合は、気がついたらなってしまったみたいな感じでしたね。でも、僕はラジオが好きでこどものころからよく聴いていたので、こういう仕事をできそうだなと感じてからは、試験がとっても楽しかったです。

フェリシモ:
無事にアナウンサーになられまして、いきなりすぐテレビやラジオに出るわけではなくて、練習されてから?

上田さん:
そうですね。最初は会社のことを勉強しないといけないんですね。そんなのが1、2ヵ月あって、それからしゃべる練習をするんですよね。僕の場合は、そういう練習をしていなかったので、できなかった。時間がかかるんです。みんなはできるんです、入ったときから。ずっと練習をするんです。大きい声を出す練習、それから何か読む練習、あとは野球などスポーツの実況の練習とか、いろいろしましたね。それを半年くらい、年が明けるくらい、1年近くやっていました。

フェリシモ:
テレビやラジオに出演するのはどういった感じなのでしょうか?

上田さん:
僕はラジオの仕事を中心にしているんですが、いいなと思うのは、みなさんからのリアクションをいただけること。こんなことがあった、こういう人がいる、そういうことをラジオで話していると、何かお知らせいただいたり、ご感想をいただけたり……。しゃべっていて反応があるというのは楽しいなといつも思っています。楽しみながらできるとてもいい仕事だなと思います。

フェリシモ:
実際にアナウンサーをされている様子を映像で見ていただきます。

上田さん:
アナウンサーっていうとテレビで見たことがあるような人が来ると思っているお客さまも多いと思うんですけど、僕はラジオの仕事ばかり。ほとんどラジオ、テレビは週に1日2時間だけ。月曜日の番組『ちちんぷいぷい』のひとつのコーナーでナレーションの声を入れるという仕事をしています。これだけです。ラジオも夜9時からの仕事をしているので、こどもさんで僕のことを知っている人はいないと思います。

フェリシモ:
実際、ラジオで原稿を読んでる風景をやってもらえますか?

上田さん:
一節やってみます。こんなのだったら聞いたことがあるのではないかというのをやります。

「この番組はごらんのスポンサーの提供でお送りしました」

(会場:拍手)

これで拍手いただけるんでしたら、僕何でもするんですけど(笑)。どこかで聞いたことがあると思ってくれた人いますか? ありがとうございます。これでだいぶ身近になってくれたんじゃないですけかね。こういうのを録音するというのも僕らの仕事です。

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フェリシモ:
それでは、今日のテーマの中に「自然」ということがありますので、自然についてお聞きします。今日、上田さんにスライドを用意していただいています。

(スライド)
上田さん:
3月に大きな地震がありました。それで、宮城県石巻に行って、人にいろいろお話を聞いてきたんです。ラジオを聞いたことない子っていますか? いますよね。僕はこどものころ、起きたらラジオが鳴ってたんですけど。要は音だけで絵は流れません。テレビと違うので、声しかありません。何をするかっていうと録音です。人の話、声をどんどん機械に入れて集めていきます。この時は、地震に遭った人の話を聞いたり、あと、地震に遭った人たちをどうやったら助けられるかなと遠方からいろいろな人が来ていたので、そういう人に「どうして来たの?」「なんで?」って……。「なんで?」「なんで?」って言うと怒られるこどもさんもいるかも知れないですが、僕らの仕事はこどもさんと一緒で「なんで?」って聞くのが仕事なんです。この映像は、録音をしていて、あとで、この声がラジオで流れるんです。

(スライド)
宮城県にもラジオの会社があります。東北放送さん。そこへ行き、ラジオに出していただきました。真ん中にマイクがぶらさがっていて、そこに向かってしゃべると、だいたい宮城県の中の人に声が届くという……。左にいる男性が、宮城県では知らない人はいない、有名なアナウンサーさんです。

(スライド)
実は僕は、自然をテーマにする仕事をちょっとずつ始めています。何をしているかと言うと「どうやったら電気をつくれますか?」ということを勉強しています。夏休みの自由研究をずっとしていると思ってもらえると、わかりやすいかな? 僕らの仕事は、ずっと夏休みの自由研究なんです。この時は、和歌山県に行きました。家の屋根に、太陽光パネルをつけて「家で電気、どうやったらつくれるの? つくったらどうなるんですか? なんでつくるの?」というのを聞きに行ったときの写真です。

フェリシモ:
最近はこういう家が増えていますか?

上田さん:
増えています。家の中に入ると、メーターがあってどれくらい電気を使っているかがわかるんです。

(スライド)
これが機械です。さっき映っていた家の屋根のパネルがあると太陽の光を浴びると電気ができるわけです。そうすると、みんながやっているゲームができたり、明かりがつけられたり、料理ができたりするんです。右側は数字が出ていて、今この家はどのくらい電気が余ってるかというのを示す機械です。余った分は、なんと電気屋さんが買ってくれます。

(スライド)
家にこういうのがあります。いちばん上は「今日どれくらい電気をつくりましたか?」っていう1日の量。その下がこの日に使った電気の量です。3つめは、どのくらい電気を電気屋さんに売りましたか?という数字。いちばん下は、自給率100%。太陽光パネルがあるので、この日は買う量よりも売った方が多かった家です。

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(スライド)
風です。これまで電気をつくるには、何かを燃やさないといけなかったんです。燃やさなくても電気をつくれるものもあって大きな事故が起こりましたが……。燃やすには、燃やすために必要なものがあるんです。そういうものは、そのうち、なくなっちゃう。例えば石油、量が限られています。では、なくならないもので電気をつくりたいという話なんです。これは風車です。風が吹くとくるくる回ります。三重県の青山高原というところに、風車が50個くらい建っています。どのくらいの大きさかというと……。

(スライド)
わかりますか? ここ、3人の人がいます。高さが40~60メートルあるので、近くに行くとこんな感じです。これは、ぐるぐる回っています。回ると電気ができます。近くに行くと結構な音がしています。回るので、ごろんごろん、きーんという電気の音がします。音にちょっとびっくりしました。でもそれは、行かないとわからないので、とりあえず僕らは行きます。行って「なんやろう?」って。「どんな音するんだろ?」とか、僕の横に2人いてはるんですが、その2人は見に来た人です。知らない人です。「何で見にきたんですか?」って聞いたら「見たかったから」って言ってました。 これ、50機あるんですけど、50機で1万件くらいの家の電気がつくれるということなんです。もちろん、いいところも悪いところもあって、太陽も風も何も燃やさなくても電気がつくれるんです。でも、風が吹かなかったら電気ができない、雨が降ると太陽もダメなので、天気によって電気がつくったりつくれなかったりするんです。困るのは、電気って貯めておくのがむずかしいんですね。その辺が弱点です。というようなことを調べています。

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生演奏に合わせての
絵本『森にめぐるいのち』を
朗読していただきます

フェリシモ:
次に絵本の朗読に移ります。上田さんが、朗読をするようになったきっかけはありますか?

上田さん:
もともと毎日放送がラジオで朗読の番組を16年くらい前からやっていたんですね。僕が入社する前からやっていて、僕もするようになったんですが、これが楽しくて……。みんなで本を読みましょうということで、読ませてもらっています。

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フェリシモ:
楽しく本を読む方法、上手に聞かせるポイントはありますか?

上田さん:
本人が楽しいのがいちばん大事かなと思います。こどもに「読んで」って言われることがあると思いますが、忙しかったり、100回も200回も読んだ本だったりすると「えー」ってなると思うんです。そういう時はなかなか喜んでもらえるような読みができないと思うんですが、でも「楽しい本やしまた読もうや」というような気持ちで読むと全然違うので、読む人が楽しかったらいいんと違うかなと思います。

フェリシモ:
聴いている側は? こういうふうに聞くといいよっていうのはありますか?

上田さん:
無理しないことですかね。楽しくないものを楽しみなさいって言われるのは大変なので、聞く側が読むのを選べるのがいちばんじゃないかと思います。好きな本を読んでもらうとか、自分で「これがあったらいいな」という好きな本が1冊あるといいなと思います。

フェリシモ:
本日は生演奏をしてくださる、ギターリスト荻野 やすよしさんとパーカッショニストの大谷 一途さんをお招きしています。

上田さん:
本を読むのも工夫があっていいかなと思って、太鼓の大谷さんと、ギターの荻野さんと一緒にさせていただきます。こどもさんには一緒にこれ(MOKURIN)振ってもらっていいですか? こんな感じで……。読んでる途中で、僕振るので、みんなも振ってください。1、2、3、1、2、3、カラカラカラ……。好きにして遊んでみてください。

フェリシモ:
それでは、『森にめぐるいのち』を朗読いただきます。この絵本の世界を言葉、音、写真で、自然を体感してください。

『森にめぐるいのち』
(生演奏に合わせて絵本『森にめぐるいのち』を朗読していただきました)

(会場:拍手)

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お客さまとのQ&A

お客さま:
アナウンサー、ミュージシャンというのは、あこがれの職業だと思います。その職業に就くために、小さいうちからこういうことをしていたらいいよ、とか、こういう性格が向いているよなどがあれば教えてください。

上田さん:
向いていること。出たがり、しゃべり、聞きたがり。お父さん、お母さんに怒られても、めげずに「なんで?」って聞ける人。あと、もうひとつ言うと、人の話を聞くのが好きな人は、もっと得です。

大谷さん:
ミュージシャンは何にも考えない人がなる職業でしょうね。叩けばなりますから。

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フェリシモ:
アナウンサーは聞き上手だといいですよとのことですが、会話の聞き上手になる方法は?

上田さん:
相手に興味を持つことじゃないですかね。この人はどこがおもしろいんかなあというのを話をしながら探すことじゃないですかね。

フェリシモ:
3人に質問です。それぞれのお仕事でおもしろいこと、また逆にむずかしいことがありましたら教えてください。

上田さん:
僕らはすごく恵まれていて、仕事は基本的におもしろいことばかりです。知らないところに行って、知らないことを教えてもらえるので、とても楽しいです。しかもそれが学校の勉強とはちょっと違ってたりしますからね。ちょっと太鼓を叩く人がいるから行って話を聞いてみようとか、なかなか学校ではないですよね。あとは、案外自分って普通だなと思っていたんですけど、いろいろな人に話を聞いているうちに、だんだん何が普通かわからなくなってくるんですね。意外とみなさんも、きっと自分が思っているほど普通じゃないんで、いろいろな人に話を聞くっていうのはどれだけおもしろいか……。失礼かもしれないですね。でも、僕もっと変ですから、そういうことがわかるっていうことがすごく楽しい、おもしろい仕事、変ないい仕事です。答えになってますかね。
ミュージシャンはどうですか?

大谷さん:
そもそも仕事と思ってませんからね。楽しいことの延長があると、好きでやってるんですけどね、。やってることはまったく同じでも仕事と思ってやると、急につまらなくなるんです。そしてしんどくなるんです。変ですね。

荻野さん:
僕は全部楽しいです(笑)。ミュージシャンの仕事っていろいろな仕事、いっぱいありますが、実は地味な仕事が多いです。ほとんど8割がた練習が仕事ですから。2割人前出させてもらっている、そんな感じです。あとは、よく誤解されて困るのが、ミュージシャンは夜しょっちゅう出歩いて飲みに行って……というイメージで言われるんですが、夜仕事しとるっちゅうねん(笑)。すごい地味な仕事です。会社とかがあるわけはないので、自分が会社みたいなもんです。こどもたちに言えるのは、朝ちゃんと起きるとか、そういう地味なところ。時間が大事です。

フェリシモ:
最後に上田さんに神戸学校からの質問です。テーマが「自然」ということですので、今日これから生活する中で、私たちが自然を守っていったり、より多くの自然をつくることがあれば教えてください。

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上田さん:
ものに触った時に、それがどこから来て、どこへ行くのか……を考える時間があるといいんじゃないでしょうか? この本はいったいどこから来たのでしょう? ぼろぼろになるまで読んだらどこに行くのかな? 太鼓、ギターもそうですよね。どこから来て、どういうふうにつくられて、もし破れたり、壊れたりしたら、どこへ行くのか……ちょっと考えてみて、もっと知りたかったら調べてみたり。日々触れるものについてそういうふうに思える時間があればいいんじゃないかなと思います。

後日荻野やすよしさんより
“自然と音楽の関わりについて”次のようにコメントをいただきました。

荻野さん:ギターの弦は、もともと羊の腸で出来ています。(今の世の中はコスト優先主義でナイロン製ですが)ご存知でした?
狩をして捕まえた獲物を食べた後の、残った皮で、太鼓を作ったと考えられています。
最近共演したアフリカのミュージシャンは、皮を弦にした楽器を弾いておられました。
つまり楽器は命を犠牲にして出来ています。

ギターのボディは木で出来ています。
楽器(木)は、演奏されればされるほど、振動して鳴るようになります。
放っておかれると、楽器(木)は鳴らなくなります。
だから、大事に演奏され続けてきた古い楽器は、とてもいい響きを返してくれる、
この話は本当なんです。
一方、弾かれなかった古い楽器は、そのまま死んでしまうのです。

音楽に使う楽器は、そういうものなんだよ。
命があるんだよ。
これは本当だよ。

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<第2部>

神戸学校特別編
JAL出前講座「そらいく」

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フェリシモ:
それでは、JAL出前講座「そらいく」を始めます。

江藤さん:
こんにちは。私は日本航空 総務部で「出前講座を担当しています江藤 仁樹と申します。「そらいく」は空の教育、それから、出前ということで呼ばれたら「そらいくぞ!」ということで「そらいく」という名前がついています。パイロットが操縦中に上空から気づいた地球環境の変化をみなさまにお話する講座として、2007年6月から始まり、これまでに160回以上、約2万人を超えるお客さまに聞いていただきました。今日は「そらいく」の講座に加えてキャビン・アテンダントのアナウンス体験もご案内したいと思います。では、本日の講座を担当しております、ボーイング777(トリプルセブン:以下略)機長・松並 孝次をご紹介します。

(スライド)

松並さん:
みなさん、こんにちは。私、松並 孝次と申しまして、現在ボーイング777という飛行機でアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、日本国内、日本航空の777が飛んでいるところすべての路線で、飛行しております。今まで飛行機を操縦してきた時間が1万1000時間、パイロットが定年まで目一杯飛んで2万時間と言われています。約半分くらい飛んだ感じです。

(スライド)
「今日のお話」
地球について 温暖化
空から見える地球
JALグループの社会貢献活動
ボーイング777が出来るまで
JALのエコ取り組み

(スライド)
松並さん:
まず地球について考えてみましょう。太陽のまわりを回る惑星の中で唯一地球にだけ生命が存在しているといわれています。なぜかというと、理由のひとつは太陽と地球の距離がちょうどよくて、ちょうどよい気温であること、また大気と森と水があることで生命が生きていけるということです。この地球に変化が生じて来ています。地球温暖化という言葉を聞いたことがありますか? 地球の温度が上がってきていることが、問題となってきています。

(スライド)
これは今から1000年前からの地球の温度の変化と人口の変化について示したグラフです。まもなく地球の人口は70億人を超えると言われています。1000年から1900年ごろまで、ずっと安定した気温であまり大きな変動がなかったものが、ここ最近になって急激に気温が上昇してきています。これが地球温暖化です。

(スライド)
地球はどのように熱を太陽から受け取っているのでしょうか? 太陽から受けた熱を地球は受け取って、その受け取った熱の一部をまた宇宙に返す、これが通常の流れです。太陽から受け取った熱が宇宙にすべて返ってしまわないように防いでくれるのが、ここにある温室効果ガスと言われるものです。温室効果ガスがあるから太陽からもらった熱を宇宙にすべて返さずに地球の中で適切な温度を保っているんです。この温室効果ガスというのが、もしないと、地球の温度って何度くらいになると思いますか? いま地球はだいたい15度くらいです。

お客さま:
マイナス19度。

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松並さん:
大正解。マイナス18度~19度で安定すると言われています。温暖化を生じさせているのが温室効果ガス。この働きが強すぎることによって地球の温暖化が進むということです。太陽からもらったエネルギーを宇宙に返せなくなる。つまりみなさんが夏に冬用の布団を来ているのと一緒の状態が今の地球。このように温室効果ガスが増加すると太陽からもらったエネルギーを返せなくなる、地球上に熱がこもってしまう。それが地球温暖化です。

(スライド)
温室効果ガスって何でしょう? 二酸化炭素って聞いたことありますか? 人が呼吸して出す息に含まれたり、ものを燃やしたりして出るのが二酸化炭素です。みなさんのまわりにある空気が1万個の粒だとすると、二酸化炭素はそのうちの4個くらいです。お風呂にいっぱい水をはって、そのうちの小さなコップ1杯分くらい。その二酸化炭素の量がわずかに増えることで、温室効果が促進されて、地球の温度が上がってきます。これが地球温暖化なんです。

(スライド)
二酸化炭素がどのように増えて来たかを示すグラフです。いまから300年ほど前からゆっくりゆっくり上昇してきたこの二酸化炭素ですが、過去は200年以上かけて上昇してきた濃度が、最近ではたった30年で同じ濃度の上昇となっています。CO2が増えることが地球温暖化に繋がっているのではないかと言われています。

(スライド)
私たちは夏に冷房を入れ、冬には暖房を入れ、暮らしはどんどん豊かになっています。その反面、たくさんの化石燃料を使い、地球温暖化を促進させ、大雨、洪水、砂漠になったり、氷が溶けるという地球温暖化が進んでいるわけです。

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「空から見える地球」

では、パイロットが見た高度1万メートルから見た環境の変化をお見せします。

(スライド)
これはボーイング777。私が操縦しているコックピットの写真です。お客さまには申しわけないのですが、いちばん眺めのいい席に座らせていただいています。

(スライド)
2005年に撮った北極の近くです。5月の様子、海の上、ぴっちり氷です。夏7月、氷が一部ゆるくなっていますが、一面氷です。この氷が2008年に観測史上いちばん小さくなったと言われています。2007年8月に隙間が見えています。2008年6月には、氷が溶けてきてしまっているのが、我々の職場から見てわかりました。

(スライド)
これは1979年、いまから30年ちょっと前の北極の氷の様子です。この北極の氷が2007年には、ここまで減りました。ただ、ここ2、3年で氷は少し増えて、面積は戻って来ています。2010年には少し戻っています。このように面積は上下しながらも、北極の氷が小さくなってきているのが、今いろいろな研究者の調べでわかって来ています。

(スライド)
シロクマは何を食べて生活しているかわかりますか?

お客さま:
アザラシ。

正解! どうやって食べるかというと、氷の上にアザラシが上がってくるのをじっと待ってるんです。アザラシが氷の上に上がってきた瞬間を捕まえて餌にしています。じゃあ、氷がなくなるとシロクマはどうなりますか? 餌を取る場所はなくなります。ということは、シロクマたちが生活していけなくなる。絶滅危惧種という言葉を聞いたことありますか? 世界中の環境の変化でこれから先このままほおっておくと、絶滅してしまうかもしれない動物がこの世の中にはたくさんいるということです。そのひとつがシロクマなんです。

(スライド)
アメリカのアラスカ州です。北緯70度の世界です。日本からシカゴやニューヨークに飛ぶ途中、この景色を見ることができます。アラスカの氷河もゆっくりゆっくり海に向かって移動しているんですが、この氷河もどんどん溶けています。2008年7月、地球温暖化によって氷が溶けてしまって緑の木が生えています。山肌が見えています。

(スライド)
グリーンランド。別名「氷の島」と呼ばれています。このグリーンランドも氷が溶けています。地球上の陸上にある氷のうち、グリーンランドにある氷は、全体の9%、つまり地球全体の氷を10個とするとそのうちの1個くらいは、グリーンランドにあります。残りの9個は南極にあります。

(スライド)
グリーンランド、2005年の状態です。

(スライド)
それが2008年にはこのように緑になっています。氷がどんどん溶けています。グリーンランドの氷が全部溶けてしまうと、海の高さが6メートルくらい上がると言われています。
なんとかしてみんなで地球温暖化を止めないといけないわけです。

(スライド)
これは日本からヨーロッパに行くロシアの上の景色。昔、ロシアの上は寒くてこのような夏の入道雲(積乱雲)は全く見られませんでした。パイロットは安心して飛んで行けたんですけど、今、ロシアの上では地球温暖化によって、気温がどんどん上がっているんです…ということは日本のように、夏になるとシベリアに積乱雲が観測されて、パイロットはレーダーで雲をさけながら飛行します。こういう雲の中に入って行くと飛行機は大きく揺れます。また、こういう雲の中には雹(ひょう)が存在します。雹で飛行機の表面にダメージを受けたりします。だから、パイロットは慎重にルートを選んで飛行します。

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「1大気かんそく
2森林火災をみつけて報告」

地球温暖化に対して日本航空が行っている社会貢献活動がふたつあります。まずひとつは「大気かんそく」、ふたつめは「森林火災報告」。このふたつについて説明します。

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(スライド)
「大気かんそく」ってむずかしい言葉ですが、飛行機が飛んでいるところの空気を調べることなんです。地上に人間がいて、山の上でも高度3000メートルです。その3倍の高さの1万メートルの空気は調べられません。なので、飛行機にその仕組みをつくって、持って帰ってきて調べます。

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これまで、人がたくさん住んでいる所は、調べることができますが、人があまり住んでいないような所は調べることができなかったんですね。

(スライド)
また、飛行機は地上から上空まで飛行することで上がったり、下りたりします。その中で下から上に行く過程でどのように大気の状態が変わっていくのかを調べることが出来ます。これが世界で最初に日本航空が始めたことです。最近では、ほかの会社も観測をするようになりました。いまボーイング777-200の3機に自動でCO2の濃度を計る機械を取りつけています。

(スライド)
また大気の状態を調べるために、空気そのものをポンプを使ってボンベに詰めて持ち帰ってくる機械が日本航空の飛行機2機に取りつけられています。みなさんが飛行機に乗るとき、客室の下に、みなさんから預かった荷物を入れる貨物室というのがあります。ここに、この機械を取りつけています。

(スライド)
3月9日に、この新しい機械を取りつけても今までの飛行機のシステムに影響がないことを確認するためのテストフライトが行われました。

(スライド)
大気観測で得られたデータです。1993年から日本航空は大気観測を行ってきました。日本とオーストラリア(シドニー)の間を飛ぶ飛行機に測定する機械を取りつけました。二酸化炭素の量が1993年から2007年にかけてゆっくりゆっくり上昇しているのがおわかりいただけると思います。実はこれジグザクしながら上がって行っています。冬になると二酸化炭素の量が多くなり、夏になると少なくなるからです。そのしくみについて説明します。

(スライド)
二酸化炭素の量は年々増えています。夏になると下がり、冬になると増えるのはなぜか。二酸化炭素というものを吸収してくれて、人間に酸素を与えてくれるものって、何かわかりますか?

お客さま:
植物。

正解! 植物の働きはこのように二酸化炭素を吸収して酸素を空気中に出してくれるということです。夏になると植物がたくさん生い茂ります。そして、たくさんの二酸化炭素を植物が吸収してくれんです。それで夏になると二酸化炭素の量が下がります。冬になると、植物が枯れてしまうので、二酸化炭素の量が増えてきます。これが私たちの大気観測の結果、わかったことなんです。

(スライド)
地上付近から上空まで調べたグラフです。左が東京の成田、右がジャカルタです。縦線が高度、高さです。地上の近くは成田の方がたくさんの人が住んでいるので、工場があるのでCO2が濃い。でも、高度2000メートルから上の濃度は、熱帯のジャカルタも成田も一緒。地球上の空気はよく混じり合って同じようになってしまうということです。つまり1ヵ所で汚してしまうと、世界中を汚してしまうんですよ。逆に言うと日本だけががんばってもダメ、世界中のみんなでがんばらなきゃいけないというのが地球温暖化の問題なんです。

(スライド)
世界中でCO2をもっとも出している国は、2008年のデータでは中国。日本は世界で5番目。しかし、このCO2は森や林からも出ています。さっき、森や林はCO2を吸収してくれるという話をしました。でも、森や林からもCO2は出ています。それは森林火災です。森が燃えて、二酸化炭素が出ています。

(スライド)
人間が出す二酸化炭素の量に比べて、森ってどれくらいの二酸化炭素が出ているのか、人間が出す量を100%とすると、森は多く見積もると、約60%です。森林火災によってこれだけのCO2が出ているんです。この森林火災を減らすために、この森林火災を報告することを日本航空が行っていることです。

(スライド)
コップピットから撮影した写真です。燃えています。

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森林火災がおきて、温められた空気が持ち上がって、急激に冷やされて入道雲になっています。こうなると人の力では消せません。さきほどのアナウンサー上田崇順さんの絵本の朗読にもありましたが、森が何千年もかけて育んだ命が一瞬にしてこのようにして燃えてしまうわけです。地面に落ちたたくさんの枯れ葉が燃えている、これによってメタンガスも空中に放出されます。森林火災を見つけたら、瞬時に衛星回線を使って、東京に報告します。見つけた場所、どのくらいの大きさなのか、火は見えるのか、そんなデータが東京からJAXA(宇宙航空研究開発機構)で研究されています。JAXAでは人工衛星で火災を探す研究をしています。そのコンピュータによる判断がまだまだ不正確なので、パイロットによって目視で発見した火災を報告することでコンピュータが火災を検知する精度を上げようとしています。

(スライド)
国際宇宙ステーションに乗務している宇宙飛行士にも森林火災を発見してもらおうという取り組みが提案されています。

(スライド)
2008年には東ロシアだけで日本の国土の半分ほどの広さで森林が燃えています。

(スライド)
ロシアだけでなく、アラスカやカリマンタン島など世界中いろいろな所で日本航空のパイロットは火災を探しています。2010年は51件ですが発見しています。私も、ロンドン線に乗務の時、途中にミルニーというダイヤモンド鉱山があるのですが、そこの近くで火災を発見して報告しています。

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ボーイング777ができるまで。

(映像)
ボーイング777ができるまで、全体では約3ヵ月かかりますが、今日は早送りで見ていただきます。シアトルの町に飛行機の工場があります。飛行機は、年間最大で約550機くらいつくられてます。工場の1日を朝の出勤風景からごらんいただきます。

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日本航空が行っている
飛行機のエコ活動とは……

日本航空が行っているエコ活動をお話しします。

(スライド)
飛行機が着陸した後、お客さまに降りていただくスポットに向かうまでの間、私が乗っている飛行機はエンジンがふたつあるんですが、ひとつのエンジンで十分に前に行く力があるので、着陸したあと、ひとつのエンジンを止めて残りひとつのエンジンでスポット(駐機場)まで向かいます。それで10分間、片方のエンジンを止めれば杉の木33本分が1年間に吸収するのと同じ量のCO2を減らすことができます。

(スライド)
バイオ燃料って聞いたことありますか? 植物からつくられる燃料です。日本航空では2009年の1月、今から2年半前にバイオ燃料のテストを世界で4番目に行いました。ジャトロファという熱帯地方にしか生えない木、毒があって動物も食べない木の実があるんですね。その中から取れる燃料、カメリナという荒れた土地でも育つ植物、藻からも燃料は出来るんです。研究によると日本で使われる燃料は、藻を使うと茨城県ほどの面積の土地があれば、すべて賄えることができるとわかったんです。これはすごいこと。藻による燃料を、もし日本で安く大量につくることができたら、ひょっとしたら日本は世界に油を輸出する国になるかも知れません。世界中がその技術を競って研究しています。

(スライド)
2階席のあるジャンボジェットです。この3番エンジンに、このバイオ燃料を積んで、テストしてきました。植物からできた燃料ですが、今までの燃料と全く変わらない性能でした。

(スライド)
飛行機に積んでいるものを軽くしました。飛行機も重たいものを運ぶのは大変なのです。そこで、お客さまにご利用いただくお皿、スプーンなども、ほんのちょっとですが1グラム、2グラムと軽くしています。飛行機には300人から400人のお客さまが乗ってくださいますので、相当な量のスプーン、フォークを使います。トータルで4、5キロくらい軽くなります。軽くすれば、飛行機はエンジンの力をそれだけ使わないですむ、使う燃料が少なくてすみます。たくさんの燃料を使わないということは二酸化炭素をその分、出さないということになります。

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(スライド)
また日本航空では、現在、窓の日除けを下ろした状態でお客さまをお迎えする取り組みを行なっています。日射による機内の温度上昇を防ぐことが出来れば、機内で使うエアコンの使用量が少なくすみます。その分CO2を出さずにすむというわけです。お客さまが飛行機を降りられる時に「窓の日除けを下ろすことに、ご協力いただけますか?」とお願いしたところほとんどのお客さまが下ろしてくださいました。本当にありがたいことだと思います。

(スライド)
では、今日から皆さんにも出来ることはあるでしょうか?近くに行く時は車に乗らず自転車で行きましょう、ゴミは分別収集しましょう、コンセントをまめに抜きましょう、冷蔵庫にはモノを詰め込まない、地産地消という言葉がありますが、その土地で採れた野菜をたくさん消費することで輸送にかかるCO2を減らすことができる、エコバッグを使って無駄なゴミを出さないなど、いろいろなことがみなさんにできるエコ活動です。ぜひ、実践していただきたいと思います。

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空から見えるきれいな風景をご紹介

(スライド)
雲の下の朝日。朝日が地平線ギリギリに登ってくる時に、雲の下に朝日が潜り込む、そんなイメージ。

(スライド)
南太平洋サンゴ礁の美しい島。日本からオーストラリアに行くと、グレートバリアリーフと呼ばれるサンゴ礁の島の近くを通ります。何の形に見えますか? ちょうちょう、リボンみたいですね。赤道から、少し南に下ったところにあるマルス島という島です。私たち乗務員は「バタフライアイランド」って呼んでいます。日本からオーストラリアのシドニーに行く途中で見られる島なんですが、赤道近くはいつもたくさんの積乱雲が出ているので、雲をよけながら飛びます。だから、このようにきれいに見えることは滅多にありません。そこで「この島を見つけるとしあわせになれる」なんて私たち乗務員仲間では言われています。もし、日本からオーストラリアにご旅行されるときに、ちょっとコースがずれてしまうかもしれないですけど、東京とシドニーを結ぶ路線だと、この島の上を通ります。日本航空にご搭乗いただいた時に「バタフライアイランドの近くは通りますか?」って乗務員に聞いてみてください。乗務員はほとんど知っています。もし近くを飛んだら、みなさんにお知らせすることができるかもしれません。

(スライド)
朝日が正面からきれいに昇ってきます。空の色も微妙に変化するんですね。これがいちばん感動する時間です。パイロットになってよかったなと思うのは、この朝日が昇るのを見る時です。

(スライド)
おまけの写真です。何かご存知ですか?

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お客さま:
スペースシャトル

正解! スペースシャトル、もう役割を終えて、引退しましたが、スペースシャトルは自分自身で離陸することができないんですよ。いつも宇宙に行くときはロケットを抱っこして、宇宙から帰ってくる時はエンジンの力で降りてくるのではなくて、紙飛行機と一緒で滑空してくるだけです。タイミングを計りながら、グルグル地球のまわりを飛びながら、最終的に降りてくるわけです。でも、目的地の天気が悪いと目的地とは別の基地に着陸するときもあります。そのときには、次の発射台まで運ばないといけない。そこで、このようにジャンボジェットの背中に乗って飛んでいます。このジャンボジェット、もともと日本航空の国内線で使っていた飛行機です。このように背中に乗っけて飛んでいるなんて、おもしろいですよね。

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今度、787という飛行機が入ってきます。その操縦室です。トリプルセブンに比べて、もっと近代的な画面が増えています。非常に広い、そしてとっても燃費がいい新しい飛行機で、日本航空ではこれから登場する予定です。

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これ何かわかる?

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お客さま:
オーロラ。

正解! このオーロラ、日本からニューヨークやシカゴに行く途中、またヨーロッパから帰る途中に見ることができるかもしれません。見られるときと見られないときがあります。オーロラが見られるのは赤道の方でしょうか? 北極の方でしょうか? 北極側です。だから、みなさんがシカゴやニューヨークに行く時、またはヨーロッパから帰られるとき、左側の窓側がおすすめです。見えたらすっごくラッキーです。なかなかきれいな色つきのオーロラを見ることはできないんですけれども、薄い色のオーロラならば、だいたい2回に1回くらいは見れることができます。ぜひ、そのチャンスの時には見てください。

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JALグループではみなさんと一緒に
地球環境を守る活動をしています。

次にパイロットの仕事について話をします。

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「飛行機について」

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ボーイング777操縦席です。左が機長席、右は副操縦席。どちらが操縦してもいいように左と右に同じ計器と同じ操縦桿があります。操縦は手だけじゃなく、足でも操縦します。地上にいる間は、左足のつま先に左のブレーキ、右足のつま先は右側のブレーキ、だから飛行機が地上にいる間、パイロットはかかとを上げて両方のブレーキを踏みます。離陸する時、垂直尾翼のところを動かすのがラダーで、足で操縦するんです。普段はほとんど使わないのですが、片方のエンジンが故障した時には使わなければならない大切な操縦装置が足での操作部分についています。

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フライトバッグの中をお見せします。どういうものを持って行くんでしょうか?まず管制塔とのやりとりをするためにヘッドセット、イヤホン。さっきの朝日、昇る瞬間はキレイです。でも昇ってしまうと正面に太陽があるとまぶしくて仕方がないです。そのまぶしい太陽から目を守るためのサングラス、夜間に何かがあった時のためのフラッシュライト(懐中電灯)。それから、手に汗をかきますから操縦する時には手袋をします。

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空の地図。これが結構重いんです。飛行機を操縦するには、通るべき道路が決まっているのです。これは着陸のために必要な地図です。また、巡航に入ると、いろいろな空の道が決まっていて、それを表したものがエンルートチャートと言って、そのコース上を選びながら、パイロットは操縦します。あらかじめ飛ぶルートは地上でコンピューターに入力しておけば、自動操縦装置によりで正しいところを飛ぶようになります。ヨーロッパに行くと、ヨーロッパの地図、日本の地図なども必要になりますから、フライトバッグはぎっちり。だいたい20キロくらいあります。手に持って歩くと腰に負担がかかるので、コロコロとキャリーカートを引くのは、体調管理のためでもあります。

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これはフライトログブックと言って、自分が何時間飛んだかを記録しているノートです。免許証は必ず必要ですよね。パスポート、無線の免許証もあります。機長の免許証もあります。副操縦士から機長になるには10年くらいかかります。10年くらい右席で修行を積んで機長になる試験を受けて機長になります。 そしていちばん大事なもの、パイロットはどんなに操縦の技術を持っていても、体に不具合があると翌日から飛ぶことはできません。身体検査証明書と言われるこのライセンス、これは私たちにとってものすごく大事なものなんです。現在では機長は1年に2回の身体検査があります。飛行に適した体かどうかを確認しながらパイロットという仕事を続けています。

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「パイロットはどんな食事をしていますか? どこで食べていますか?」とよく聞かれます。パイロット用の食事は、副操縦士と機長、別々のものを食べます。なぜでしょうか?

お客さま:
食中毒。

大正解。食中毒を防止するために、別々のものを食べます。どうやって食べるかと言うと、操縦桿を目の前にして、膝の上に枕をのせて、その上に食事をのせて食べます。同時に食べると操縦をする人がいなくなっちゃいますよね。だから別々のタイミングで別々のものを食べます。

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キャビン・アテンダントによる
アナウンス講座

みなさん、こんにちは。日本航空客室乗務員の笠原 真紀子と申します。どうぞよろしくお願いします。私は、日本航空に入りまして、最初の3年間は、国内線を飛んでおりました。その後、国際線を飛び始めて、10数年というところです。今は地上の仕事もしていまして、客室乗務員のマニュアル、教科書をつくったり、機内サービスの企画をしたりしています。乗務としては最近ではシカゴを中心にフライトをしていました。そして、客室乗務員の1ヵ月のスケジュールですが、自分の担当は、まず長距離路線を決められていました、例えば自分がイギリスの担当になったとしたら、イギリスへ月に1回必ず飛びます。そのほか東南アジアの一部、韓国や中国は日帰りですね、そして国内線を4~5日飛ぶというのが客室乗務員の1ヵ月のスケジュールです。だいたい飛行機に乗っているのは1ヵ月に80時間くらいです。
今日は、4人の方に機内アナウンスを体験していただきます。

(体験のこどもたち、壇上へ)

まず、私が、機内で離陸してからのアナウンスをやってみたいと思います。日本航空の場合、コックピットのキャプテンから離陸の合図が「ポーンポーン」とあるんですね。そうしたら、私たちがアナウンスします。

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「みなさまにご案内いたします。この飛行機はまもなく離陸いたします。シートベルトをもう一度お確かめください。また座席の背、テーブル、足置きを元の位置にお戻しください。(英語でも)」

で、ブーンと離陸します。さっそくやっていただきましょう。

(4人が体験)

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お客さまとのQ&A

お客さま:
ジャンボジェットと普通の飛行機は、大きさはどれくらい違いますか?

松並さん:
ジャンボジェットと777(トリプルセブン)は、ほぼ大きさは同じです。びっくりしたでしょ? ジャンボジェットと言われるのは2階席がついている飛行機で、いま777(トリプルセブン)でも300シリーズになると、横幅は同じくらいです。長さは70メートルくらいあります。着陸するときは、自分の30メートルくらい後ろにある車輪を「今ごろ着くかな?」と思いながら操縦桿を引っ張ります。

お客さま:
アナウンスで、緊張することはありますか?

笠原さん:
アナウンスはやっぱり緊張しますね。どんどん練習して慣れれば、上手になっていくものなのですが、最初は緊張してやっています。一度に300人以上のお客さまにご案内するアナウンスなので、私も緊張します。

松並さん:
私も緊張します。客室乗務員がアナウンスするときは、お客さまの様子がわかるんですよ。でも機長がアナウンスするとき、ハンドセットで話すんですが、誰の反応もわからない。お客さまの姿が見えないところで一方的にしゃべります。だから、間の取り方などが、むずかしくて……。たくさんべらべらしゃべるとお客さまにはわかりません。ゆっくりゆっくりしゃべるくらいでもちょうどいいくらいですね。

お客さま:
飛行機が飛んだ時に耳がキーンとなって困りませんか?

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松並さん:
とってもいい質問です。みなさんエレベーターに乗った時、耳に違和感がありませんか。六甲山の上から車でおりて来るとなんか耳が変な感じになりませんか? これは、人間は当たり前のことなんです。 それは耳の中の空気と外の空気と仕分けている弁が耳の中にあるんですね。外の空気と中の空気との圧力の差で、耳の中がツンとするんです。耳の構造上、上に上がっていく、つまり気圧が低くなるときは、わりと簡単に抜けるんです。中の空気の方が気圧が高いので、中の空気は押し出されるので、どんどん抜けます。 でも降りてくるときは、外の圧力がどんどん高くなるので、高度10000メートルのときに機内の高度は2000~3000メートルくらいの山の上にいるのとほぼ一緒なんです。着陸のためにどんどん高度が下がってくるとまわりの空気の方が圧力が高いので、自分の耳の中の空気が外から押されるんです。なので、耳がツンとなって、自分の声じゃないみたいになります。
この中でダイビングをされる人いますか?「耳抜き」っているのがあります。鼻をつまんでぐっと息を鼻から吐くようにしてください。そうすると、圧力が上がって、耳が詰まった感じが取れます。
他にも、いい方法はあくび。あともうひとつ、あめ玉をなめること。

笠原さん:
お客さまが「耳が痛いです」と言われたらあめを差し上げます。もし耳が痛くなったら「耳が痛いからあめをください」と言ってください。

松並さん:
逆に言うと、あめが食べたければ「耳が痛いです」と言ってください。

(会場:笑)

お客さま:
飛行機は着陸するとき、離陸するときに滑走路を走る長さは、どれくらいですか?

松並さん:
着陸の時の飛行機の重さって、どこの路線でもあまり変わらないんです。残す燃料とお客さまの重さは変わりませんから。でも離陸する時って、東京からニューヨークに行く時はたっぷり燃料を積んでいます。東京から大阪に行く時はそれほど燃料を積んでいません。重たいものを運ぶ時は、エンジンが一生懸命に仕事をしてたくさん加速しなければいけません。東京からニューヨークに行く時は、約時速350キロまで加速します。成田空港は滑走路が4000メートルあるのですが、そのうちの約3500メートルを使って離陸します。着陸するときは、だいたいどの重さでも、約2000メートちょっとの長さがあれば十分だと思います。離陸するときの方が重たい重量だからです。飛行機を持ち上げる時の方がそれだけの距離を使って、飛行機を加速していかなければいけない。東京~大阪だと離陸するときの速度が200キロちょっと、ニューヨークだと350キロ。だからニューヨークに行く飛行機は滑走を始めても時間的になかなか離陸しないです。それぐらいの加速をするまでパイロットは、待っています。だから、離陸の方が距離が長いんですよ。

フェリシモ:
最後の質問を神戸学校からさせていただきます。今日から、私たちは地球の自然を守るために個人でもできることがありましたら、教えていただけますか。

松並さん:
さきほどスプーンやフォークをちょっと軽くすれば、CO2を少なくすることができるというお話をしました。ここで、お願いという意味も込めて覚えて帰ってほしいことが、ひとつあります。みなさんが今度、飛行機に乗るときにお願いです。みなさん自身が軽くなってください。

(会場:笑)

ダイエットじゃないですよ。飛行機の中にもお手洗いはあります。でも、飛行機の中のお手洗いはそのままタンクに溜めて離陸するんですね。「トイレに行きたいけれど、飛行機の中にもトイレがあるから、飛行機の中で行こう」ということでしたら、是非、飛行機に乗る前にトイレに行ってください。東京からニューヨークに行く場合、もし、ニューヨークで燃料を1リットル残したいと思うと、東京では、1リットルよりも多くの燃料を積んでいないとダメなんです。途中でその燃料を運ぶために余計に燃料を使っちゃうんです。だいたい、積んだ量の7割くらいしか残らない。機体は軽ければ、余計な燃料を燃やさないですみます…ということは、地球に対してCO2を余分に出さないですむんです。もし飛行機に乗られる機会がありましたら、ぜひ、搭乗前にお手洗いに行っていただけると、それは地球に対して、非常にエコな活動です。これをみなさんにご紹介したいと思いますし、お願いしたいと思います。

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Profile

上田 崇順(うえだ たかゆき)さん<アナウンサー>

上田 崇順(うえだ たかゆき)さん
<アナウンサー>
*プロフィールは、ご講演当時のものです。
2000年から放送局アナウンサー。制作、報道系の番組、特にラジオを中心に担当。
朗読活動についてはスタッフワーク、プロデュースなどの裏方も含め行っている。
趣味はギター演奏とインプロと呼ばれる即興演劇。

荻野 やすよし(おぎの やすよし)さん<ギタリスト・作曲家・即興演奏>

荻野 やすよし(おぎの やすよし)さん
<ギタリスト・作曲家・即興演奏>
*プロフィールは、ご講演当時のものです。
現代音楽,コンテンポラリーJAZZ,即興,ワールドミュージックの作曲/演奏の両方で活動中。
2010年、自己のグループ 音・人・旅 【おとなたび】でアルバム「Tinga TingaJaponism」を発表。日本の土のにおいを感じるサウンドと、景色が見える音楽を描くためのプロジェクト。その他楽曲提供、録音への参加、多数のLIVEへの参加。

大谷 一途(おおたに いちず)さん<パーカッショニスト>

大谷 一途(おおたに いちず)さん
<パーカッショニスト>
*プロフィールは、ご講演当時のものです。
cocotowa(こことわ)、こひごころ、でドラマーパーカッション担当。

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