神戸学校

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  • 木村 秋則さん(リンゴ生産者・「奇跡のリンゴ」栽培者)
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「『奇跡のリンゴ』栽培者が語る自然の力について」



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<第1部>
(映画『奇跡のリンゴ』予告編)

「リンゴをはじめとした
自然栽培についてお話したいと思います」

みなさん、こんにちは。私、弘前から来ました。テレビのニュースで猛暑と聞いていたもので、もうどうしようかなと……。私は北の住民ですから、ここよりは涼しいわけです。それで「何を着ていったらいいかな」、そんなことも考えたわけですけれども、弘前を出る時、みなさんが想像できないほどの寒さがあったわけです。あまりにも寒くて、ストーブに火をつけたんです。生まれて初めてです。異常気象が日本を覆っているわけです。日本ばかりではなくて、世界各地でさまざまな異常が起きております。なんとか歯止めができないかなと思っていますが、私ひとりだけの力では、とてもできるわけではありません。みなさんのお力を借りて、みんなで地球を直していかなきゃいけない時が来たのではないかと思ってます。私も食べるものを通して、日本をはじめ世界各国の人たちが、もっと人間らしくなってもらいたいなと、そういうことを夢見て走り回っているわけでもあります。
私の本職は、ご存知のとおり、リンゴづくりです。リンゴは、人間との歴史はすごく古くて、アダムとイブもリンゴです。それから、みなさんが手に持っている、スマートフォン、これにもアップルが描かれています。

(会場:笑)

木村秋則さん講演風景

それから、ニュートンもまたリンゴ、白雪姫もリンゴです。こうやってみるとリンゴと人間の歴史というのはすごい関わりがあるんだなあと思っております。そしてリンゴはなぜか果物の王様と言われるわけですが、そうじゃなくて、必需品じゃないのかとそういうふうにも考えています。私、このとおり歯もないし、エアーが漏れるわけです。

(会場:笑)

なおかつ私、津軽言葉が治らないわけです、ときどき理解に苦しむ言葉も出てくるかもわかりませんけれど、その辺を堪忍してもらえればなあと思います。今流行っている言葉があるんです。それは、津軽弁です。私の半生が映画になりました。本当にうれしいです。そして私の役を阿部サダヲさんが、女房役を菅野美穂さんが演じたわけです。その菅野さんが慣れない津軽弁で言った言葉が今すごく流行っています。何を言ったかというと……。
「ばかでね」

(会場:笑)

ものすごく悪い言葉ですよね。でも「ばかでね」と聞くと、みなさんどうですか? 批判したと聞こえないでしょ。映画『奇跡のリンゴ』、大勢の人に見ていただきました。本当にうれしいです。東宝さんから聞いたんですが、現在生きている人が映画になることはほとんどないと……。そして阿部サダヲさんが「今までで、いちばんやりにくかった」とそんな話もありました。でも、みなさんのお力をいただいて、私が提唱する栽培がどうにか市民の権利を得たなと思っています。この栽培について、深いところを知らない人が多いと思いますので、今日はスライドを通して話していけたらいいなと思っています。

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絶対不可能を可能にした男
木村 秋則さんの自然栽培とは?

木村秋則さん講演風景
「自然の力について」

この写真は、今年のリンゴの花です。毎年毎年、咲くのが当たり前だと思っていたリンゴの花が、映画のごとく11年も姿を消したわけです。そしてまた復活して、毎年咲くようになりました。私ががんばったんじゃないんです。本当の主役はリンゴの木なんです。そして私は、家族に支えられて続けることができたわけです。ですから、毎年咲くリンゴの花を見て、「なんてきれいなんだろうな」そう思うわけです。桜とリンゴは親戚です。でも花はまったく違うんです。どこが違うと思いますか? 桜の花は下を向いて咲くんです。リンゴの花は、あまりにも人手が入り、品種改良がされすぎて、威張ってしまって、上を向いて咲くんです。同じバラの仲間でも、桜とリンゴはこんなに違うんです。来年ぜひ見て比べてください。

木村秋則さん講演風景
「平成6年以来の大雪!
連日の降雪に呆れました。積雪3メートル」

この写真は今年の3月1日のものです。今年の3月ごろ、青森県の積雪は観測史上を毎日塗り替えました。6メートル近い雪が降りました。そして、これ、私の畑です。これ、リンゴの木の雪を落としてでもこうなんですよ。屋根に積もった雪は下ろしますが、リンゴの木にもまた積もるんです。それで、道なき道を腰まで浸かりながら雪下ろしに行くんです。3メートル以上ありました。ですから下ろしてもこうで、このあとまた毎日毎日降りました。もう雪を見るのもうんざりするほどの雪が、あっというまに消えたんです。4月19日には畑にまだ30センチほどありましたが、4月25日ごろには何もなくなりました。なんて不思議なことだなあと思っていました。それほどの大雪、そのためにずいぶん雪の被害も受けました。でも、なんとかまたさきほどの花のように咲かせてくれたわけであります。

(スライド)
「きれいな花! でもよく見ると?」
このきれいな花。ユリの花です。でもよく見ると……。おわかりになりますか?

木村秋則さん講演風景
「おしべにヤクが無い! 科学の方向は正しいですか?」

何か変じゃないですか? ヤクがないんです。おしべに花粉のかたまりがないんですよ。花粉がない花なんです。これは科学が間違った方向に行ってるんじゃないかなと私は思うんです。ミツバチがいなくなったよ。世界中ミツバチがいないんだよとずいぶん騒いでいます。
花粉がなければ、ミツバチは飛んで来ないんです。そしてまた、こんなおしべにヤクのない花が多くなり過ぎると、ミツバチはエサがなくなってしまうわけです。今こういうことが起きているんです。離れて見るときれいな花も近づくと形ばかりが花で、人に操作された花であったわけです。

(スライド)
これは、世界先進国の食料自給率を調べたグラフです。青いグラフが並ぶいちばん端に、赤いグラフがあります。日本です。経済大国と言われている日本、ひと皮むけば、日本国民の食をまかなえていないというわけです。そして、日本国内では農家人口はどんどん減っていき、今260万人をきろうとしているわけです。そのほとんどが65歳以上の高齢者がやっと続けている、そんな魅力のない仕事になってしまっているわけです。農家に行くと「うちのせがれに誰も嫁が来てくれない」と言って嘆くわけです。その反面、「うちの娘は農家だけは嫁がせたくない」そういうわけです。日本国内の農村の実態なんです。そして、どんどん田畑を捨てていく、その姿が進んでいき、今40万町歩の田畑が捨てられているわけです。足りないものは海外から買ってくればいい、そういうことも大事かもしれない。でも、この通りの異常気象が毎年毎年続いたら……。去年、アメリカで農作物が不作でした。ロシア、オーストラリアでも小麦がとれなかったわけです。日本に今まで輸出していたものが、ちょっと今年は無理ですよ、ということが出てくるわけです。やはり、日本の食は、日本人がある程度守っていく必要があるのではないでしょうか。テレビで「輸入は怖いね、国産は安心だね」と言っている主婦の会話がありました。

(スライド)
これは農薬を世界でどれくらい使っているかを示した農薬使用量比較のグラフです。このグラフは、世界でもっとも信頼のおける会社のグラフです。これを見ると、日本が世界一の農薬使用国であるということです。そして、海外からはもっとも農薬に麻痺した国民と言われています。

(スライド)
「世界の米生産料と除草剤使用金額(国連食料農業機関)」
そして、毎日食べているお米。お米に使われる除草剤の使用量です。除草剤が確かに農家の人たちの重労働を解放してくれた大きな立役者でもあります。ところが農家の人たちはその除草剤に頼り過ぎているのではないでしょうか。年々使用量が増えてきて、こんな数字になってきたのではないかなと思います。これは、国連が調査した数字です。これほどの除草剤が使われて、田んぼや畑には虫たちの姿が消えているわけです。私が小さい時には、田んぼに流れる小川にメダカが群れをなしていたわけです。今はそのメダカ、探しても見えない。次の世代の子どもたちに「メダカという魚がかつては日本にいたそうです」という言葉に変わること、これが正しいのかな? もちろん間違っているし、怖いことです。生態が食の生産のために狂ってしまっている。そして、メダカ1匹300円で、お店で売られているという、そういう嘆かわしい日本になってきたということです。

(スライド)
農家の人は肥料がなければ何もできないよ。「木村、あんたの言っていることはホラだよ」そう言われました。
そして今も肥料がなければ、何もできない。じゃあ、作物に肥料をどれだけ使っていますか?と聞いたら、誰も応えられないんです。実際は、1割程度しか使われていないわけです。それなのに、肥料がなければダメだと、そういうわけです。私は、女房が農薬に弱かった、そんな状況の中で「1割より使われていない肥料だから、無肥料でもできるのではないのか」という考えになったわけです。そして雑草が生えると肥料を横取りするから、そういった考えから、除草剤という便利なものがあるから、と使ってきているんではないかと思うんです。実際は雑草もさほどない。そして半分くらいが、農家の人が食の生産に使う肥料、その半分くらいがガス化していくんです。このガス化したものが異常気象の犯人なわけなんです。ぜひ、このことを知ってください。工場から出る煙、これも地球の大気汚染のひとつになっていますが、それ以上の犯人が、世界中で使われる、食を生産するのに使われるこの肥料だということ。ですから、アメリカ大気圏局は、食の生産栽培を変えない地球の温暖化は止まらないと発表しています。それほどこの農家と農村と大気は深い関係にあるわけなんです。
今から10年ほど前、冷蔵庫、車、エアコンにフロンガスを使ってはならないと、全部フロンガスが撤収されたわけです。そして使わないようにしてみて、大気は回復したかというと、大気は何にも変わっていなかった、食を生産するという大きな名分のもとに、世界中の農家の人たちは、この大気を壊しているということに目覚めてほしいなと思います。それをそこで生まれる食材を買って食べてくださる消費者のみなさんにもこのことを理解してもらいたいなと思います。ひとりだけがしあわせになる時代はもう終わったんじゃないかと思います。

(スライド)
「生産現場では何が起きているか?」
そして今、これは日本国内で起きているんですよ。畑の砂漠化、遠い海外のこととお思いの方が多いと思うんですが、そうじゃなくて、日本の野菜団地にも起きて来ている。どんどん使われる化学資材によって、土が土でなくなってしまったわけです。この写真では、タマネギを植えました。生産者はタマネギを植えたんですけど、1個も売ることができなかった。全部腐っていたんです。土の病気です。ひと握りの土に、地球に住む世界中の人口数が匹敵すると言われるわけです。土はバクテリアや微生物、細菌たちの住処なんです。
これを科学が進歩して、土を土と見ない、スポンジとしか見ていない、そのためにこんなことが起きてくるのです。

(スライド)
「JAS有機栽培と自然栽培の違い」
私が提唱する栽培は「自然栽培」。これは私がつくった言葉です。みなさんが知っている有機栽培とは少し違います。有機栽培は国が認めた肥料、農薬、そのほかの資材を使うことを許可されていて、それを使って生産をしています。私が提唱する自然栽培は、自然の生態を重んじて、それぞれが持っている力を利用して栽培する方法です。決して放任ではありません。よく誤解されるわけです。
「あなたは、手を加える、それは自然じゃない」と、そんなことを言われます。
私は徹底して手を加えます。会場のみなさんもかつては赤ちゃん。「おぎゃー」と生まれて、父母の愛情をいっぱい受けて、そして、小学校に入る前ごろには、父母の心配をよそにあちこち遊び回ってきたんではないかなと。でも生まれてすぐは、お母さんのお乳を飲み、いろいろな愛情を受けながら、大きくなって来たのではありませんか。私は、1粒の種にも同じことが言えるんじゃないかなと思います。種を蒔いて、あとは勝手に育ちなさいと。それは種にとって、少しかわいそうではありませんか。だから、小さい時は雑草に負けるから、雑草を処置してあげる。ある程度のびると、雑草を超していく、だから手がかからない。
最初から手をかけない栽培は、それは放任だと思うんです。そうじゃなくて、小さい時は手をかける。もしも私がリンゴの木だったら、もしも私がトマトだったら、もしも私がチンゲンサイだったら、置き換えて、私は接して来ているわけです。そんな栽培、そして、今各地に、私に賛同する人が出て来ています。

(スライド)
「一般基地では農機具重量、肥料、農薬、土地改良資材等で硬盤が作られる」
そして、土の中。それは目に見えません。土の中を見る力、透視ができればいいんですけれど、誰もその力を持っていませんので、土の中を見るというのはすごく大事じゃないかなと思うんです。土は、人間の体にそっくりなんです。よく「体が冷えるとよくないよ」と、お医者さんに言われたことがあると思います。今の土は科学資材をどんどん使っていて、土が冷たくなってしまっているんです。ですから、雨が一滴も降らない日が何日も続くとすぐ弱ってしまうんです。まるで人間の体と同じです。そうお医者さんが話していました。

(スライド)
「100年以上も農薬なしで不可能と言われたりんごが実りました」
そして、家族にほしいものがあっても買ってあげられない、そんな1円もない貧乏生活をしながら、リンゴが実ってくれました。100年以上、リンゴは世界中で農薬、肥料なしには生産は不可能と言われて来たわけです。その不可能と言われたリンゴが、このように、実ることができたわけです。そして、なぜか虫がいないんです。無農薬なのに虫がいないんです。肥料を施さず、35年以上過ぎました。肥料がなければ作物が取れないというのは、本当だったのか。このリンゴの姿を見て、私はかつては私のように、無農薬に挑戦した人がいたと思う。でもあまりのひどさに途中で断念したのではないかと……。私バカだから、実るまで挑戦したんですけど、それを許してくれた家族があったからです。

木村秋則さん講演風景
「雑草伸び放題? まるで山みたい! 雑草が土をつくり、樹を守る」

そして、7月、ついこの前の私の畑の姿です。下草、かつては私の肩までも伸びていた下草も今は、ひざくらいの高さより伸びません。そんな風に、畑の雑草が変わってきました。そしてこの下草が土を守っているわけです。そして、畑には虫がいないんです。かつては1メートルくらいのリンゴの枝に、100匹以上いました。なぜか殺せなかった。それで手で袋に入れました。それを虫眼鏡で見たわけです。すごくかわいいんですね。害虫と言われる虫ですが、すごくかわいいんです。そしてその虫を食べる虫、虫眼鏡で見ると怪獣です。ティラノザウルスみたいなものが、益虫と言われているわけです。その、害虫がなぜいないのか、今の日本で誰も証明できない。無農薬だからいないんです。肥料を使わないからいないんです。私はそう思っています。

(スライド)
「畑で見る自然生態の一部!」
スライドで見ると、気持ちの悪い巨大な虫に過ぎません。でも、実際の大きさは1~5ミリ程度です。みなさんは、てんとう虫を知っていますね。てんとう虫は一般的にはよい虫と言われています。本当によい虫ですか? 小学校1年生の教科書に必ず出てきます。「てんとう虫はよい虫です。アブラムシを食べるよい虫です」。じゃあ、そのてんとう虫は1日にアブラムシを何匹食べるかご存知ですか? 成虫で1日に4、5匹程度です。食べないんです。そのうち、アブラムシがてんとう虫の背中を歩いていくんです。

(会場:笑)

自然界ではあり得ないんです。アブラムシはてんとう虫を恐れていないんです。リンゴがなっていなかったから、てんとう虫の背中、羽があるので、ご飯粒を糊にして開かないようにして、背中にマジックで番号を書いて、間違えないようにして3、4日も調べました。結果、初めて食べないんだと言うことがわかりました。ところが、この(スライドを指して)気持ち悪い虫は、そこにアブラムシがいる限り食べ続けてくれるんです。これはやがてふ化して成虫に変わる準備をしているわけです。この親はなんだと思いますか? この親は、みなさんが嫌いなアブの仲間です。アブの幼虫が実はアブラムシをエサに食べてくれるんです。こういうのダーウィンも書いていません。『ファーブル昆虫記』にも書いていません。私、畑で見てわかったわけです。

(スライド)
「これは害虫の被害跡?」
そして、この葉の穴、誰が開けたんでしょう。私の畑に調査に来る地元弘前大学農学部の先生たちは、「虫が食った穴」と言います。でも、葉の真ん中を食べる虫はいないんです。虫の口のつき方からして無理なんです。この穴、実は、葉が自分の病気を治療してできた穴なんです。葉が自分の病気を治療しているんです。どうやって治療するかというと、患部が拡大していくと困るから、枯らして落とすということなんです。すごいでしょ。樹が自分の病気を治療するんです。農薬が病気を消毒するのとは違うんです。このことを医学部の先生たちが大きく注目しているわけなんです。国民の2人に1人がなんらかの病気を持っていると厚生省が発表しています。日本国民の6割以上が過敏症である、国民の6割以上が糖尿病の恐れがあるんだと発表しました。でも、こうすればよくなるので改善していきましょうというのがないんです。
私は日本の人々にしあわせになってもらいたい。そのしあわせ、いろいろな形のしあわせがあります。やはり健康がいちばんではないでしょうか。私のリンゴや自然栽培普及の活動は、みなさんに健康をお届けしたのかなと思います。1枚の葉っぱが、そのことを見せてくれたわけです。そして今、私の畑の姿から、どうしたら日本は病気の患者数を減らすことができるか、ということにようやく動き始めたところでもあります。
リンゴの樹が自分の病気を治療してきたために、私毎年リンゴを実らすことができるんです。でも、少し時間がかかり過ぎたなとも思っています。

木村秋則さん講演風景
「これもわたしの助っ人!」

どこに何がいるかわかりますか? 大きさは2センチにならないカエルです。私の畑では、カエルは樹の上で鳴いているんです。作業していると、頭の上にカエルが乗っている時もあります(笑)。すごく愛嬌のある生き物で、実はこういう生き物が虫をエサにしているわけなんです。

(スライド)
「チッソ量比較」
肥料も使わない、堆肥もやらない、さぞかし私の畑は痩せているだろうと思われるかもしれません。ところが肥料を施している畑の3倍以上の栄養分が、私の畑にはあるということがわかったわけなんです。みなさん、もし宝くじ3億円が当たったら、明日から働きますか? 私は働きません。休みます。それと同じで、土に肥料や堆肥を入れて、土の中のバクテリア、微生物が栄養分があるから、自分たちがんばらなくてもいいよと言って、土が休んでいるんではないかと思います。ところが私みたいに、何もやらないと、土が「これは一大事」と思い、なんとかしてがんばらなくっちゃと活動したから、こういう姿になったんではないかなあと思います。

(スライド)
「全国に広がる自然栽培」
そして全国に、この自然栽培の仲間たちが広がってきました。そして、今から20年ほど前は1人か2人よりやっていなかったわけです。そして世間からの目も冷たく、変な人として、まともな人間として扱ってもらえない時代があったわけです。ところが今は、組織的な活動が行われるようになりました。そして、この世界にないこの栽培法の農産物を、日本国内どこでもいつでも買える日本にしたいなと思っています。

(スライド)
「各地で開催中・自然栽培塾」
そして各地で塾を開いておりますけれど、日本よりも海外で非常に関心が高く、今動いております。TPPとかいろいろな、農業に関わる時代がこれから選挙の後、始まってくると思うんですけれども、なぜか私に賛同くださっている人達は「TPP怖くないよ。自分たちはどんなことがあってもやっていきます」そういう話をされています。
そして、こちら帯広は日本でまれに見るほどの大規模農家が多いところです。今から10数年前に訪れた時、私に耳を傾けてくれた人は、わずか3人でした、それが今、大勢の大規模生産者の人たちがこれからの農業を考えていかなきゃいけないということで、集まるようになってきたわけです。そしてその動きはヨーロッパでも、大きなうねりになっています。

(スライド)
「愛媛県松山市
障がい者就労支援施設『メイド・イン・青空』が
2009年から自然栽培に取組!」
今日、特に話をしたいのは、愛媛県松山のことです。これが今日本中に関心を持たれるようになっていきました。社会の弱者と言われる障がい者の人たち、もらう給料はすごく安くて15000円、16000円で、生活ができないんです。今日この会場に代表がみえております。この代表たちが、私が提唱する自然栽培の農産物を生産して支援者の人たちに、買ってもらうことによって、6万~7万円の給料を払うことができたわけです。そして、これを超すもっと高い給料を払って、この社会の弱者と言われる障がい者の生活を守っていこうというそういう動きで、今物事が大きな社会のニュースになって各地で同じことが取り組まれるようになってきました。私が提唱した肥料も農薬も除草剤も使わない栽培がこんな形で生かされて来ている、社会のお役に立てて本当にうれしいなと思いました。

木村秋則さん講演風景

(スライド)
「この稲が農家を動かした!!」
そしてこれは肥料も農薬も除草剤も使わないイネの姿です。このイネが岡山県の農家を動かしたわけです。肥料をやってるよりいいじゃないか、そして……。

(スライド)
「無肥料・無農薬・無除草剤の収穫前のイネ」
収穫前の田んぼの姿です。何も使っていない田んぼの姿です。

(スライド)
「自然栽培の初期生育よくない」
ただ、私の栽培は長所ばかりではありません。大きな欠点もあります。それは、土をつくるのに3年ぐらいは時間を要するということです。今まで使ってきた肥料分、除草剤、農薬分を土からなくすためなんです。さらに、生育が初期の時は、このイネを見てもおわかりのごとく、こちらが肥料を施したイネ、こちらが何もしていないイネ、同じ日に田植えをしたんです。初期生育に違いがあるわけなんです。このころ、農家の人は、悩むころなんです。
そして奥さんが、「木村はここ1ヵ月は来ないよ。隠れて肥料をやってもわからないから。ねえ、お父さん」と。お父さんは「いやいや。木村と約束したんだから、1年はこれやっていこうよ」と言いながら、胃薬を飲むんです。ところが、このあと1ヵ月くらいすると、とんでもないことが起こるんです。あっというまに追いついていくわけです。ですからこの時期に田んぼに行くなと、私は言っています(笑)。

(スライド)
「肥料・農薬・除草剤・未熟堆肥・土壌 消毒剤など使い過ぎて~」
このニンジン、収穫期が来ても、ここまでしか成長できない畑になってしまったんです。これじゃ農家の人、食べていけません。それで3年費やしてようやく元のようなニンジンがとれてきたわけです。少し時間がかかるのが私の栽培の欠点ですが、誰でもできるんです。

(スライド)
「麦の畑を利用」
堆肥の代わりに豆を植える。豆の力を利用して、そして、肥料をやめていく。今まで使った肥料、除草剤、農薬は麦に吸収してもらう、そうすると土を作りながら収穫ができる。農家の収入が少しでも、確保できる。そんなふうに今やっております。

(スライド)
「自然栽培では左右対称・規則正しい生育」
このミニトマト。一般にはパック詰めで売っています。このトマト、肥料、農薬、堆肥使わないで生産しますと、規則正しく実ります。肥料を使うとこうなりません。そのために過敏症の人たちは、これを1個ずつパック詰めされると、本当に肥料を使っているかどうかわからないので、2年前から房ごと、店に並べるようにしました。誰が見てもこれは肥料を使っていないものだということがわかるわけです。その結果過敏症の人たちが食べれるようになったんです。今試験的ですけれど、やっております。その結果、過敏症の人たちよりも、過敏症でない人たちが買い占めるようになったわけです。

(スライド)
「トマトの作業例」
ですから、神戸のお店にもそういうスタイルのパッケージ仕様が並ぶと思います。ぜひこの姿を見てください。豆の力で育っているんです。

(略)

(スライド)
みなさんトマトの根はどこに? 実はこうなっています。そして、トマトには決して水をやらないこと。「トマトに水やるバカ」という言葉があるくらいなんです。

(スライド)
「常識?を変える(馬鈴薯の例)」
じゃがいもを植えたことがある方、いらっしゃいますか? じゃがいも、切って、その切り口どうやって植えていますか? 切り口を下にするか上にするかでイモのつき方が違います。今これヨーロッパで大ウケです。ところが日本ではあまり関心ないみたいです。ヨーロッパ、特にドイツではジャガイモが主食です。そのために広大な面積をジャガイモ畑にしているんですけれど、この方法、これ下に切り口、そうするとジャガイモが種イモの上にできる、切り口を上にすると、ジャガイモが横か下にできる。そうすると土を寄せなくてもいいんです。「緑ジャガができるから」と言って土を寄せるわけです。ドイツのように100町歩以上の広い畑だと、土を寄せるだけで1ヵ月以上かかるわけです。その作業がなくなったわけです。そうすると巨大なトラクターが使う軽油の支払いがなくなるわけです。それですごく感謝されているところです。ぜひ日本でもやっていきましょう。みなさんがやっていることは何も間違っていないんです。600年も前からこのことをやってきたんです。ヨーロッパでは800年前からこのことをやってきたんです。

木村秋則さん講演風景

そして誰もが正しいと思っていたんです。私バカだから、これ逆にしてみたらどうかとやってみた結果なんです。常識、みんな正しいと思っている方がほとんどだと思いますが、中には間違っているのもあるんじゃないかと思います。このじゃがいもの場合、特にそうです。もしも来年植える時には、切り口を上にして植えてください。すごいじゃがいもが育ちます。

(スライド)
「有機農業の未熟堆肥が恐ろしい」
私なぜ肥料も堆肥も使わないかというと、ここに書かれている硝酸態チッソが怖いからです。この硝酸態チッソという言葉が聞き慣れないと思いますが、かつて欧米の赤ちゃんがゴロゴロ亡くなったという事件があったわけです。ブルーベビー症候群、顔が青くなり、口から泡を吹いて死んでいきました。その原因がなんであったかというと、赤ちゃんに食べさせた離乳食だったわけです。食べさせた赤ちゃんが、肥料を使ったものよりも、堆肥を使ったオーガニックがもっといいだろうと言って、使っていたものがダメだったんです。その未熟堆肥に含まれる硝酸態チッソが真犯人でした。会場のみなさん、有機農業は安心だよと思っている方は、ちょっと待ってください。

(スライド)
「濃い緑の野菜は元気な証し?」
「濃い緑の野菜は元気があっていいね」と思っている方が多いと思います。実は元気がないから濃い緑なんです。肥料も何も使わないでつくると、決して濃い緑にはなりません。それはこの葉っぱの1枚1枚の膜が守っているからだと。その膜が取れた状態が濃い緑の状態なんです。この膜は農薬ですぐ取れてしまうんです。裸のような状態が濃い緑の野菜なんです。ですから野菜を買い求める時は、できるだけ濃い緑でないものを買ってください。

(スライド)
「人・土・環境の為に」
そして「堆肥を完熟させてください」と畜産農家の方にお願いし続けています。

(スライド)
「死亡原因の推移」
いろいろな原因があるかわかりませんけれど、これは1960年と2006年の死亡の原因を地元弘前大学の協力をもって日本全国を調べました。そうすると、ガンの死亡率が昭和30年代と比べて、3倍以上になっているのです。これには、延命処置をしている50万人の方は入っていません。なぜこれほどガンが増えたんでしょう。いろいろな原因、あると思うんですけれども、毎日食べているものが私は少なからずとも影響しているのではないかなと私は思っています。

(スライド)
「国別認可の合成添加物種類」
そして日本は、世界一の農薬使用国でもあるんです。この食品の添加物も種類では世界一なんです。ですから、みなさんスーパーで買う食品の裏を見てください。いろいろなカタカナ、漢字が書かれています。日本は、種類多い添加物が使われています。これもやはり消費者、生産者、それから加工する方、みんなが力を合わせて、せめてフランス並みに落としていかないといけないなと思います。

(スライド)
「生物多様性を考えよう! 人類は小動物に助けられている」
先ほどのユリの花、おしべにヤクがない、ミツバチがいなくなったら、だいたい4年後、人間に変化が起きますよ、という言葉を残したわけです。おまけにミツバチ、動物がどんどん姿を消していっている、全部悪者は人間なんです。みんなで一歩前へ出て、これを変えていかなければならないと思います。今までは「木村、お前の言っていることはできないよ」と批判されてきました。やらないで、できない、そう言ってきたわけです。そうじゃなくて、どうしたらできるか、できるための努力をみんながしたら、できることに繋がるんじゃないかなと思います。このすぐれた日本人、世界に誇れる日本人で、もう一度日本人であることに誇りを持って新しい日本の社会をつくっていきたいなと思います。
私は百姓です、政治家でもなんでもありません。食べるものを通して、日本を世界の日本にもう一度復活させたいなという気持ちを持っています。この自然栽培は世界にない栽培です。日本から生まれた栽培です。ぜひみなさんのお力を貸してください。
そしてこの日本の食は、お寿司、お酒、世界中の人が知っています。ヨーロッパへ行くと日本の女性にあこがれているんです。日本の女性は髪を茶髪に染める人が多くなりましたが、ヨーロッパでは、日本の女性にあこがれて黒髪に染める人が多くなっているんです。それほど欧米の人は日本人を尊敬しているんです。だから、もっと世界に誇れる日本人に変わっていけたらなあと思います。ぜひみなさんもひとりひとりが一歩前に出た気持ちを持って、取り組んでいただければ……。私は、戦後の復興をやり遂げてきた日本の力を思えば、考えられない力を出せるのではないかなと思います。
そして、映画が上映されました。私の恥ずかしい過去ですが、1個のリンゴにかけたこんなバカな私ですが、もしも女房が農薬に負けない女房であったら、こんな栽培はやっていなかったと思います。でも何か、神様が「木村お前は、この栽培を生きている限り、しなさいよ」と言われたんじゃないかなと思っています。ぜひみなさんもこの自然栽培に大きな協力をしていただければ……と思います。

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<第2部>

お客さまとのQ&A

お客さま:
私自身が小さいころからあまり野菜やイネ、花などにふれていないんですね。野菜や果物はスーパーで買うものみたいなところがあり、木村さんや農家の常識が一般の私たちにはないところもあると思うんです。こどもたちにそういう大事なことを教えていくにはどうしたらいいでしょうか? 学校でも教えてくれない、親もわからないとなると、どうやって伝えていくかが課題だと思うんです。

木村さん:
まったくそのとおりです。というのは今現在、肥料、農薬を使うのが当たり前の社会なんです。各地の小学校、学校の田畑があるんですが、やはり肥料、農薬を使っての栽培なんです。ここ4、5年変化が見えてきました。こどもたちが使う田んぼには、肥料を使わないようにしましょう、そういう小学校が多くなってきたんです。すごくいいなと思っています。
私自身も3年くらい前まで、小学校の理科教科教育に走っていました。どんなことをしていたかというと、そこの学校では田んぼと畑があり、田にイネを植えて米を収穫し、畑には豆を植えてもらいました。秋にイネの収穫した後、わらが出ます。そのわらと畑でとれた大豆を使って、納豆をつくったんです。今までわらを堆肥にすることはやっていましたが。せっかくとれた豆があるので、納豆をつくりましょうと……。そしてその納豆私も食べてみました。九州の人はあまり納豆を食べないんですね。あのネバネバがいやだって(笑)。「ああ、これはうっかりしたな」と思ったんですけれど、納豆菌を使わない、わらに付いている自然の納豆菌でつくったのでネバネバがないんですよ。糸をあまり引かないんです。それで、そこの小学校のこどもたちは、納豆を初めて食べたんですけど、大評判をもらったわけなんです。
そして、今度は、わらを細かく刻んで、豆の殻と混ぜて、カブトムシの住処にしたんです。そうしたら翌年、大きな白い幼虫が育ったんです。そういうことを小学校4、5、6年を対象にしました。そこの小学校を卒業した人に聞きましたら、自分のうちの空き地を利用してそういうことをしてくれていると聞きました。教えてよかったなという経験があります。ですから、これから少しずつ始まっていくかなと思っています。そして小学校の時から「土は生きているんだよ」と。
道路のふちに空き缶をポイッと捨てる人がいますね。そうすると雑草の中で空き缶が原因となる大きな変化が起きるんです。そういうことをテレビに流し、みなさんが実際目で見ていたら、やがてゴミを捨てる人がいなくなるんじゃないのかな、そんなことも考えています。ですから。小学校の時から、肥料を使わなくても、落ち葉とかでこういうものができるんだよという、そういう教育を進めていきたいと思っています。小さい時からの食育、教育をしていかないと、100年も頭にこびりついてしまった常識は変えていくことはできないなと思っております。これからを期待してください。

木村秋則さん講演風景

お客さま:
木村さんは歯がないですけど、歯を入れないんでしょうか?

木村さん:
恥ずかしながら、山へロープを持っていったんです。ドジなものですが、ロープが外れて今生きてるんですけれど……。あの……、そしたら、何か今まで自分の心のどこかに虚栄心があったわけです。こんなことをして恥ずかしい、世間はなんて言うだろう。そういう世間の目を気にする自分があったわけです。
そのロープを持っていった時に、これが答えじゃないかというのがあって、何か自分が今までと、ふっきれてしまったわけです。それで、キャバレーのアルバイトをしました。早く少しでも収入がほしかったものですから。そして最初は呼び込みをしていたら、ずっと向こうにいとこが見えました。「気づかないでほしいな」と思って私は、電柱に隠れました。見栄、虚栄心を捨てたのにやはり恥ずかしかったんです。でもいとこは、気づきました。いとこに「お前おちぶれたな」と言われました。今でも覚えています。そのあと、雨が降ってきました。親不孝通り、飲屋街のことを別名親不孝通りと言うんですね。飲屋街、日本各地にありますね。その通りは、一方通行でした。そして、向こうから車が来る、車のライトを背に受けていると、その人が誰なのか影になってわからないんです。それで、「お客さん、まだ時間早いですからお店でお酒飲んでいきませんか」そう言った相手が悪かった。突然、「このバッジがわからないのか」と言われてしまいました。そのバッジを見た瞬間、体が固まってしまいました。テキ屋さんのバッチでした。実は入ってもらいたくない方だったんです。「すみませんでした」と謝りましたが、聞き入れられず、胸ぐらをつかまれて、殴られました。そして前歯をなくして、それ以来、歯はありません。歯医者へ行くお金もなかったし……。
歯っていうのは1本抜けると、空いた場所に寄って来て次々抜けていくんです。そしてこの歯は歯医者へ行って抜いた歯は1本もありません。ぐらぐらして物も噛めなくなっていたので、そうしているうちに虫歯になるわけです。虫歯になると痛むから、それならない方がいいと抜いていって、今のような歯になってしまったんです。
「なぜ歯を入れないんですか?」とよく聞かれました。でも私、その時の思いを忘れたくないんです。ですから、歯を入れない。ピーナツとキュウリはダメです。でもそれ以外の物はだいぶかじれるようになってきました。女房が倒れる前にあまりにも「お父さん、恥ずかしいから歯を入れてちょうだいよ」と言って、無理矢理歯医者に連れて行かれたんです。それで、一応歯医者に行って、戸を開けて閉めました。

(会場:笑)

そして、女房が帰ったのを見計らって、ゆっくり歩いて家に帰ろうと思っていたら、女房と途中で会ったわけですよ。女房が「お父さんずいぶん早いね。もう終わったの?」のって聞かれて「終わった」と。そして車の中で「もしかしてお父さん、ただ、歯医者の戸を開け閉めしただけじゃないの?」と……(笑)、そう言われました。ま、それ以来歯医者へは行っていません。そういうところです。あはは。

お客さま:
目標があれば教えてください。

木村さん:
この栽培の食材、今、どこで買えるのか? 売ってるのか? わからないという声がすごく多いんです。今大勢の若者たちが私の栽培に賛同くださって、生産されています。その肥料も農薬も堆肥も使わないでつくられた食材を日本中どこでも買うことができるそういう社会にしていきたいなと思っております。一歩ずつ東京から始めました。やがて、大阪、まずは多くの人たちが住んでいるところで、小さいながらもそういうお店をやって、みなさんにこの栽培を身近なものにしていきたいなと……。それが私の夢です。

お客さま:
木村さんは宇宙人と仲よしと伺いました。宇宙人に対してどのようにお考えですか?

木村さん:
みなさんも私も、宇宙から見たら宇宙人なんですよ。ですから、向こうから来た人たちばかりが宇宙人でないということを知ってください。そして、みなさん、自分の手で土に触ったら、みなさんは地球を持っているんですよ。わかります? 地球の表面に私たち今住んでいるんですから。それで、今、宇宙人、未確認飛行物体、近ごろのニュースですと、イギリス、インド、アメリカをのぞいて、各国が「UFO、宇宙人の存在を認めます」と発表したんです。今やその存在を否定することのできない、笑い話、つくり話の時は終わったんです。アメリカのパイロットの教科書に公開はされていませんが、「決して追従するな。決して攻撃をするな。彼らは我々の知識をはるかに越えている」と書いています。もしも信じられなかったら、ペンタゴンへ問い合わせください(笑)。「その教科書の一部本当ですか?」と。電話が繋がったらいいんですけどね。わはは。
このことは、本当なのか嘘なのか、遭遇した人じゃないとわからない。当時私がUFO見た時は、誰も信じてくれず、女房でさえも「ばかでねか」と言ってたことが、今は「UFO、お父さん来てるよ」とそういうふうに変わりました。

(会場:笑)

丸いUFOもありますし、フランスパンのように長いUFOもあります。彼らがなぜ来ているのか。私は彼らが、攻撃のために来ているとは思いません。彼らはこの地球を心配してきているのではないかなと思うんです。地球がこれほど修理をしないといけないほど変わっていく姿を憂いて、来ているんでないかなと思っています。
石川県羽咋市に行かれたら、ぜひそこの施設へ入ってみてください。そこにはソ連の実際の宇宙飛行に使った宇宙船があります。宇宙へ行く時に同じものを5台つくるんだそうです。トラブルがあった時にすぐ代替えができるように、つくるのだそうです。その他にも使われなかった本物の月面走行車などが展示されています。そこに私が畑で出会った宇宙人らしきものと同じ人形があります。大きさは私の肩くらいです。私が会った宇宙人と色が違うだけでした。もしも時間があれば、ぜひおでかけください。そしてその羽咋市では、農協が中心となって自然栽培をすすめております。そしてそこでとれたお米は、ローマ法王に届けたお米でもあります。私は、自分が見ているものですから、やっぱり信じますし、この神戸が、UFOのよく確認される場所だということは、私よりも神戸のみなさんが知っているのではないでしょうか。

お客さま:
今日お話を聞いていて、木村さんはすごく愛情にあふれた方だなあと思いました。奥さんが農薬に弱くなかったら、こういうことをしていないと思う、とおっしゃっていましたが、夫婦円満の秘訣を教えてください。

木村さん:
何も自慢すべきことはありません。ただ、途中でやめることが好きじゃないんです。ですから、とことんやらないとやめない性格だもんで、それで、正直言って、さきほども言った菅野 美穂さんが「ばかでね」そういう言葉に代表されるように、私、じょっぱりなのかもわかりませんね。「じょっぱり」ってわかります? 「がんこ」です。あはは。半端ながんこじゃないと思うんです。
女性が男に惚れる時、前を見て惚れますか? 背中を見て惚れますか? どうでしょう?
これは、私の想像です。はじめは前、ところがだんだん、背中を見て、「この人なら……」と思っていくんじゃないですか? この一所懸命に取り組んでいる自分の好きな男性を前よりも背中を見て、流している汗を見て、「この人なら……」という気持ちになってるんではないかなと思うのですがいかがでしょうか。ちょうど女房が、私がやっていること、1円にもならないことをやって、そんなことをできるのかできないのかわからない、まったく見通しのつかないことに、とことん没頭している私を見て、女房がついて来てくれたのかな。また私もがんこなものですから、返事のないものは承諾したものとみなすと……。わははは。

木村秋則さん講演風景

(会場:笑)

そういう判断をしたわけですよ(笑)。女房に聞くわけです。あと10年もしたら虫がいなくなるよ。あと、タンポポを見て歩いて、女房に「山のタンポポと畑のタンポポ、同じになったら、リンゴ、もしかしたら実ってくれるかもわからないよ」と言っても、女房がひと言も返事しなかったわけです。ですから、返事のないものは承諾したと判断するという……。私のわがままを女房が理解してくれたんじゃないかと思います。これだけは、よい答えがないですね。

フェリシモ:
会場のみなさまに、最後にひと言いただけますか。

木村さん:
私、こんな男です。好きな言葉に、昔の日本が戦争をしていた時の新聞の中に「足リナイ足リナイ、工夫ガ足リナイ、努力ガ足リナイ」と書かれてありました。そして次の新聞に「1本の葦はすぐ折れる、この折れる弱い葦も、束になれば岩を貫く」、まさに私、その言葉が好きです。今まで私が家族を巻き添えにして失敗してきたのは、私の努力が足りなかったからだと、私は思うんです。そしてその努力はどうにかリンゴの木に伝わって、実を結んでくれました。ここで得たものを私ひとりのものにすることは簡単です。でも、それは避けて、みんなのものにしたいと、今走っているわけです。私、1本の葦はすごく弱い、でも今日会場のみなさんのような大勢の集まりがあれば、どんな荒波も越えられるんじゃないかなと思っています。ぜひこの栽培にみなさんの協力をお願いしたい、そういう気持ちでいっぱいです。そして新しい川の流れをつくっていきたいと思います。
長い時間、こんな一百姓のつぶやきを聞いてくださったこと、本当に感謝します。ありがとうございました。

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Profile

木村 秋則(きむらあきのり)さん<「奇跡のリンゴ」栽培者>

木村 秋則(きむらあきのり)さん
<「奇跡のリンゴ」栽培者>
*プロフィールは、ご講演当時のものです。
1949年、青森県中津軽郡岩木町(現弘前市)出身。1968年、弘前実業高等学校商業科を卒業。集団就職で川崎市の電機メーカーに就職するも、1年半で退職し弘前に戻る。1971年から家業のリンゴ栽培を中心に農業に従事。1972年、結婚し、無農薬リンゴ栽培を始める。
10年近く無収穫、無収入になるなど苦難の道を歩みながら、ついに無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功する。その壮絶な体験は2006年、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介され、大反響となる。現在、独自の栽培方法はリンゴだけでなく、稲などの他の作物にも拡大。国内はもとより、世界各国の注目を集めている。2013年5月、著書『土の学校』(幻冬舎)が、発売され、6月には映画「奇跡のリンゴ」が公開。現在、株式会社木村興農社代表としてリンゴの栽培に携わるかたわら、全国各地で自然栽培の指導も行っている。

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