神戸学校はフェリシモが主催する「神戸発 生活デザイン学校」です。
神戸学校12月は、写真家の濱田英明さんをお招きします。
濱田さんを語る上で欠かせないのは、濱田さんがインターネット出身の写真家であるということです。写真家としてデビューする前、Flickrという写真共有サイトにご自身の子供の写真をアップしたところ、国内外の多くの人たちに評価され、拡散されていきました。このことについて濱田さんは「ネットを経由して作品がシェアされた時点で、それは生み出した人の手を離れ、勝手に漂流していくものである」とネットの本質的な在り方として肯定しておられます。そこでは、誰が撮ったのか分からなくても、写真が良かったら見る、フォローするという「感覚的に良いかどうか」ということがとても大切になるとおっしゃっています。
スマートフォンで撮影された写真がSNSで瞬時に世界中に拡散されていく時代。フォロワー数36万の濱田さんのインスタグラムがポートフォリオ(作家の「作品集」)の役割を果たしているように、作品というものを発表する形態も受容するスタイルも、多様になってきています。このような時代において、濱田さんが考える、「いい写真」とはどういうものなのでしょうか。また、独学で写真をしてこられた濱田さんは、こんなふうにもおっしゃっています。「フォトグラファー全員が同じ土俵に立つ必要はないと思います。たとえ同じ分野でも綺麗な写真であれば僕よりももっと上手に撮れる人がいるからです。そもそも写真とは、異なるものの見方を提示することにこそ価値を見出せる表現だと思っています。勝ち負けではなく互いの違いを認め合えるような状況をつくりたいのです」と。濱田さんが何を表現されたいのか、その根底にあることについてのお考えをじっくりとうかがってみましょう。
どうぞお楽しみに。
写真家。1977年、兵庫県淡路島生まれ。2012年、35歳でデザイナーからフォトグラファーに転身。同年12月、写真集『Haru and Mina』を台湾で出版。雑誌や広告撮影など幅広く活動中。
HP:http://hideakihamada.com/
Instagram:@hamadahideaki